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68話 ページ22

風雅 side


西村「このステップが綺麗に出来ん…」

風雅「うん…俺も」


同じとこで突っかかってしまってどうにも進まない。周りの人に聞けたらいいんかもしれんけど、ピリピリしてる。


「風雅、にしたく、どう?」

西村「Aちゃん…!?」

「突っかかってるみたいやけど、大丈夫?」

風雅「えっと…」

西村「このステップがうまくいかんくて」

「そこな、2人とも縮こまりすぎやねん。もう少しここ外に膝もってく、そう。」

「そうするとほら、綺麗に見えるやろ」

西村「ほんまや…」

風雅「…凄い」

「うん。今日前より綺麗に出来てたで。そこもっと綺麗にやればだいぶ良くなると思う」

西村「ありがとうございます!」

風雅「ありがとうございます!」

「うん笑えっとー、皆一回集まろか」


笑顔でみんなを集める


「皆振りいれられた?」

人1「まだ、不安です…」

人2「僕も…」

「そっか。とりあえず小学生先教えるから前きて、その間後ろで他練習。」


いつもの優しい笑顔とは真剣な表情
また空気が静まり返る。


全「はい!」

「皆大吾君たちが言ってた意味ちゃんとわかってな。毎回こうやって教えられるわけやないし、自分たちでやらなきゃあかんからな。」

「いつまでもあーやって言ってくれる先輩がいてくれると思ってたらあかんで。」


真剣にでも優しく伝えてくれるから、皆素直に聞こうと聞いてる。それに、誰よりも努力してる人だから。


全「はい」

「ん。ファンの人先輩達から奪うくらいの気持ち持っていこ!じゃあ早速やってくで!」


いつものような笑顔で手を叩きみんなに指示を出すAちゃん。

オーディションの時に声をかけて教えてくれた時を思い出す。困ってた俺に笑顔で声をかけてふりを教えてくれて、頑張れって教えてくれた。

その前までに振付師の人に無茶ぶりでダンスを踊らされてたときの、あのクールな雰囲気を纏ってた人とは思えないくらい優しかった。


西村「Aちゃん本当にかっこええな。」

風雅「うん。」

西村「俺らも頑張ろ」


だから俺はいつかAちゃんと並んでパフォーマンスしたい。そのために頑張るから。









室 side


大西「Aこんなことやってたんや…」


すこしレッスン室を覗く。
流星が気になってたみたいやからね


室「甘やかさないけど、後輩のために動けんのはあいつの凄いところやな」

大西「…」

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作者名:向日葵 | 作成日時:2022年5月22日 13時

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