噂の同級生さん【knmc】

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─剣持視点─

「いや〜、剣持さんも隅に置けないですよね〜」

コラボ前にOBSの確認だったり音量の確認のために、配信を始める前にdiscordを繋いだ。さてそろそろ配信を着けるか、なんて思っていた頃。

「は？突然なんですか」
「今日たまたま例の同級生さんに会いましたよ！」
「最悪すぎる」
「可愛い子じゃないですか〜！いやぁ母としては鼻が高いというかなんというか」
「マジでうざい」
「連絡先交換しちゃいましたよ」

その言葉に本気で罵倒の言葉が喉から出かかって、何とかこらえた。こんな人でも一応先輩だ。敬う気持ちが無くなったわけでもない。何とか心を落ち着けて、極めて冷静に返事をした。

「何も言ってませんよね」
「もちろん。そんな無粋なマネはしませんって」

それならまぁ……、いや釈然とはしないが、まぁ及第点だろう。しかしこれではライバーの噂好きの人間辺りに広まるのは時間の問題だろう。こんなに面白そうなネタをにじさんじの何人かの面々が放っておくことは絶対にない。断言出来る。

「いやぁそれにしても本当に可愛い子でしたね。にじさんじに勧誘しちゃおっかな」
「辞めてください。先輩が同じ学校ってだけでも少し気まずいものがあるのに、同級生までなんて気まずいどころの騒ぎじゃないですよ」

さっさと配信始めますよ。と声を掛けながらOBSの最終確認なんかを済ませる。パソコンに映っている月ノ美兎は楽しそうにニヤニヤと笑みを浮かべながら真っ直ぐにこちらを見据えて言った。

「そんなこと言って。"噂の同級生"さんと一緒にいるのが恥ずかしいだけじゃないですか」

うるさいな。なんて呟きながら配信を開始させた。

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