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─剣持視点─

「剣持さん元気ないです?」

ふとそんな声がして顔を上げる。控え室には自分と社長の二人だけだ。ろふまおの収録だというのに甲斐田と不破湊は遅刻してくるらしい。

「え、元気無さそうに見えます?」
「いや、というか心ここに在らずみたいな」
「あー、考え事してたんで」

背もたれに体を預けながら机の上に置かれてあるお菓子に手を伸ばす。クッキーの中にチョコが入っているタイプで、程よく甘く頭にまで糖分が回っていく。

「何かあれば協力しますよ?最悪ろふまおをぶっ潰したいとかでも……社長という立場を利用すれば……なんとか……」
「それはもう常に思ってますけど別に……。社長って肩書き、便利そうですよね」
「えぇまぁ、便利なことも不便なこともありますけど」

世間話に付き合ってもらいながら黙々とクッキーを口に入れる。サク、と口の中で消えていくクッキーは甘くて。

「……ケッ。どうせ女侍らしてんでしょ」
「偏見がスゴイ!そんなことないですって!」
「まぁカードゲーマーだしな」
「あのさっきから偏見で物喋ってます?」

つい穿った見方をしてしまいながらも社長まで上り詰めたその姿は素直に尊敬する。年齢的にも人生経験的にもある種の先輩で、ふぅ、と溜息をついた。

「社長ってあからさまな好意を向けられた時どうしてます?」
「それは……、所謂リア恋的な?」
「あ、いえリアコはうちのリスナーには居ないんで。と言うか居てアレだったらヤバいでしょ」
「とすると……剣持さんだし学校ですか。青春ですね」
「逆にリスナーであってくれた方が良かった…。それなら面倒なことになる前に牽制出来たんですけどね」

あ゛ー……、と深いため息をついて空を仰ぐ。廊下がどやどやと騒がしくなってきたのを聞いてようやくあの二人が来たのかと立ち上がる。

「まぁどうするかは剣持さん次第ですけど、嫌じゃないなら甘んじて受け取れば良いんですよ」
「……やっぱそうなるかぁ」

社長のにやけ顔になんだかちょっとイラっとしながら、クッキーのカスをゴミ箱に捨てた。

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カレーぱン(プロフ) - 葛さん» コメントありがとうございます!頑張ります! (1月28日 18時) (レス) id: 5b34eff9f0 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - コメント失礼します!とても面白くて続きが気になります。更新頑張ってください🫶 (1月28日 10時) (レス) id: 039532f02f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:カレーぱン | 作成日時:2024年1月26日 18時

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