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もしかしたら自分は剣持くんのことが好きなのかもしれない。そんな事を考えてもこれから剣持くんにアピールしたり告白…なんて出来るわけがなく日々は淡々と過ぎていった。剣持くんは相変わらず部活に勉強に配信にと忙しいらしく、関わる暇も接点もない。……と思っていたのだが。
「剣持お前めっちゃ後ろじゃね？」
「うるさいな仕方ないだろ」
「いーなー俺もここがいい。何してても先生に見つかんなさそう」
「うるせー散れ散れ！」
わはは、と笑い声が真後ろから聞こえる。気を抜くと死んでしまいそうなくらい心臓の鼓動が早い。
「Aと席離れちゃった〜悲しい〜」
そう、席替えだ。何回かあるこの席替えで、後ろから二番目くらいの席。黒板も見え辛いし前の方に席を移してもらおうかと思っていたその時だった。
私の後ろの男子が前が見えないとのことで剣持くんと席を交換したのだ。私も、と上げかけた手はすぐ様下ろされて、私は後ろを振り返ることが出来なくなってしまって。
席替えでザワザワとしていてもチャイムが鳴り響けばみんな大人しく自分の席に帰っていく。
授業が始まる、と教科書を取り出そうとした時、後ろから肩を叩かれて思わず飛び上がるくらい驚いた。
「うるさくしたらすいません。僕の周り人がいっぱい来るから…」
「い、いえ大丈夫です……？」
「しばらくよろしくお願いしますね。……えーっと」
「あ…、そ、その……A、です」
「……んふふ、ここで名字じゃなくて名前出します？」
「えっあ、そうですよね、えっと」
「よろしくお願いしますAさん」
きっと漫画だったら今私の周りにはハートが飛び散っているだろう。アニメや映画やドラマだったら綺麗な音楽が流れている。
現実はそんなものじゃなくて、先生の前向け〜の声が響いて授業の続きが始まった。
私は慌てて前を向いた。きっと今の私は顔が真っ赤だろうと、そう思ったから。
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カレーぱン(プロフ) - 葛さん» コメントありがとうございます！頑張ります！ (1月28日 18時) (
レス) id: 5b34eff9f0 (このIDを非表示/違反報告)
葛(プロフ) - コメント失礼します！とても面白くて続きが気になります。更新頑張ってください🫶 (1月28日 10時) (レス) id: 039532f02f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カレーぱン | 作成日時：2024年1月26日 18時
