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「今から進路表配るから、書き終わったら帰っていいぞー」
中間テストも終わって、やった〜なんて声があちらこちらから聞こえる。進路表を前にしながらシャーペンを持って唸ってしまう。
「……進路かぁ」
周りはもう決まっているのか早々に帰って行ったり適当に書いている人が多いらしい。
「A、アタシ部活だから先行くね!」
「うん。頑張ってね」
もう書き終わったらしい友達は手を振りながら教室を出ていった。まだ高校2年生なのにもう進路を決めているらしい。スポーツ推薦で行くって言ってたかなぁ…。
「…適当に近くの大学で良いかな」
そんな事を呟きながら家の近くの大学の名前を3つ上げる。取り敢えず埋めておけば問題ないでしょ。
そう思いながらプリントを持ち先生に出そうと教卓へ向かう。
そんな私にテストが終わってテンションが上がったらしい男子が背中にぶつかってきた。
「あ、ゴメン!大丈夫?」
「あ、うん大丈夫」
その男子はすぐ謝ってくれたし特にケガはない。……が、さっきまで手に持っていたプリントを落としてしまったらしい。キョロ、と床を探すと、目の前にプリントが差し出される。
「落としましたよ」
「…ぁ、ありがとう剣持くん」
「いえいえ」
にこりと笑顔を見せてプリントに視線を落とす剣持くん。
「あ。この大学行くんですか?僕もここ第一希望なんですよ。友達が行ってて…って関係ないか、忘れてください」
そう言いながらプリントをしっかりと受け渡した後自分の分のプリントを提出して長い筒を持って教室を出て行く剣持くん。どうやら部活に行くらしい。
私はゆっくり呼吸をしながらプリントを提出し、椅子に座って机に顔を突っ伏した。心臓が早く鳴り響いて止まらなかった。
ああなんて単純なんだ!
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カレーぱン(プロフ) - 葛さん» コメントありがとうございます!頑張ります! (1月28日 18時) (レス) id: 5b34eff9f0 (このIDを非表示/違反報告)
葛(プロフ) - コメント失礼します!とても面白くて続きが気になります。更新頑張ってください🫶 (1月28日 10時) (レス) id: 039532f02f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:カレーぱン | 作成日時:2024年1月26日 18時