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家に帰り、制服がシワになることも厭わずベッドに飛び込む。枕に顔を埋め勢いに任せて足をジタバタさせる。ベッドに当たる攻撃はぼすぼす、という柔らかい音で帰ってくる。

「〜〜っ、剣持くんとお喋りしちゃった……!」

ファミレスの机を挟んで斜め向かい(恥ずかしくて目の前には座れず、伏見さんの前に座って伏見さんに苦笑いされた)に座っていた剣持くんと、学校とは比べ物にならないくらいには喋ってしまった。

……とは言っても基本的に話題の提供は伏見さんで、伏見さんが剣持くんと喋っている間にたまに私に話を振ってくれるくらいで、会話した内容も返事も何も思い出せはしないんだけど。

ドキドキして収まらない心臓を上から手で抑えてファミレスで眺めた剣持くんの横顔を思い出す。

「……かっこよかったなぁ」

そんな言葉が意図せず出て口を噤む。自分の部屋だから誰もいる訳ないのに両親が入ってきてはないかと自室のドアを振り返って、落ち着くためにとベッドに腰掛ける。

そのままつい手癖でスマホを持って、さて何をしようか?と悩む。
今の思い出を誰かと共有するにはちょっとまだ整理が追いついていないし、かと言って元に戻しても何かするものもない。ちょっと前に剣持くんがやっていた蛇…ミミズ?のゲームも一人でやるにはすぐに負けちゃって面白くないしなぁ…。

そんなことを思いながらふとYouTubeを開く。すっかり剣持くんのリスナーとなってしまった私のオススメ欄は彼が所属している会社の人達の動画で埋まってしまった。

「……あれ、コラボかな?」

なんとなく出てきた動画を開いてみると、どうやらそれは剣持くんが所属しているらしいグループの動画で、顔の端麗な男性が剣持くんを含めて四人映っていた。
その中の一人に見覚えがあって思わずスマホを落とす。

「ふ、ふわさん!?」

特徴的な声はスマホから喋り続けていて、もう一度恐る恐るスマホを覗いて、そしてそのまま階段を駆け下りた。

キッチンで料理を作っている母が怪訝な顔をしているのにも構わず、その画面を指差す。

「あら、湊くんじゃないの。テレビ出たの?」

VTuberとかYouTubeなんてハイテクなものにあまり興味がない母はのほほん、とそんなことを言う。

「や、やっぱりふわくんだよね!?」
「まぁここらじゃ不思議な子だし、あの顔でしょ〜、スカウトもされるわね」

イマイチ会話が成立していないが、どうやら彼は私の知っている"ふわくん"で間違いないらしかった。

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カレーぱン(プロフ) - 葛さん» コメントありがとうございます!頑張ります! (1月28日 18時) (レス) id: 5b34eff9f0 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - コメント失礼します!とても面白くて続きが気になります。更新頑張ってください🫶 (1月28日 10時) (レス) id: 039532f02f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:カレーぱン | 作成日時:2024年1月26日 18時

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