霊媒師まこと。

｢夜叉のリサイタル」 ページ10

壱馬side


また誰かが見てる。


ずっと視線を感じて落ち着かない。


陸「壱馬、大丈夫？」


陸さんが心配そうな表情で言った。


壱「大丈夫です」


平然を装うけど、全然大丈夫じゃない。


壱「…助けて」








慎「…こいなり、」


こいなり「きゅきゅー(任せて！)」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
壱「……」


後ろが気になって仕方ない。


すると足元に、


？「きゅきゅ〜ん」


狐？犬？よく分からない動物が、擦り寄ってきた。


壱「可愛い。迷子？」


？「きゅきゅきゅ！きゅー」


壱「ん？あ、待って！」


入り組んだ路地に入っていくと…。


？「ようこそ。妖に悩まれし迷い人よ」


化粧と衣装がすごい綺麗な人が座っていた。


男の人、だよね？女装してるとか？


でも、なんか慎に似てる。


壱「…あのあなたは…」


？「別に怪しい者ではありませんよ。ただの霊媒師です。貴方は、こいなりに導かれてここに来た。妖の匂いを感じ取ってくれたんです」


この動物は、こいなりっていうんだ。


にしても、この声やっぱり聞き覚えがある。


慎と喋り方がそっくりだ。


霊媒師「では、話を聞きましょうか」

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