霊媒師まこと。

｢夜叉のリサイタル」 ページ12

慎side


こいなりの後ろから壱馬さんが出てきて。。


案の定バレちゃいました。


壱「慎、」


慎「はい？」


壱「なんか聞こえん？」


よく耳をすましてみる。


慎「ピアノ？」


一体どこから…？


壱「あそこ！」


アパートの一階のドアが1つ開いていた。


慎「…壱馬さん、俺の後ろに」


警戒しながら、中へ入っていく。


…特に何もなさそう。


妖の気配も感じないし、こいなり達も静か。


でも、1つとんでもない事に気付いた。


壱「っ…！」


壱馬さんが口元を手で抑えて、


壁を指さした。


そこには、びっしりと


壱馬さんの写真が貼られていた。


テレビの映像も、壱馬さんが歌っているシーン。


ドラマに出演したシーン。


バラエティに出演していた時のシーンなどが、


リピート再生されていた。


そして、近くにはラジカセが。


慎「ここから、ピアノの音がします」


壱「エリーゼのためにやね。これ」


夜叉は、居ないみたいだけど…。。。


慎「違う…！」


上を見上げると、何かが袋に入っていて、


ふわふわと浮いていた。


壱「まさか、これ…」


慎「俺も思いました、これ魂じゃ…？」

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