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『少し酔っちゃったかもです。』
はい、あからさまな営業トーク。
そう言って更に距離を縮めてくっついてみる。
イケメンにはキャバ嬢の立場を利用してこういうこともしてしまいます。
おじさんにはしません。
「はは。久しぶりに女の子と飲むから何だか照れるわ。」
『うそ。白井さん絶対モテますもん。』
お酒を作りながらさりげなくボディタッチも合わせて話す。
一緒に来ている会社の人達は特に指名はせず、それぞれマンツーマンで話をしながら盛り上がっているようだ。
「全然モテないって。俺バツイチだし結婚はしばらくいいと思ってるし。」
『そうなんですか。離婚すると結婚はもういいってなる人も多いですもんね。』
「Aちゃんみたいな可愛い子と出会えればいいんだけどさ。」
『えーやだ。上手いこと言っても何も出ませんよ。あ。』
ドリンクを取ろうとテーブルに手を伸ばすと、近くに置いてあったライターが白井さんの足の方に落ちてしまった。
『ちょっとすみません。ライターが…』
「…えっ」
思いっきり白井さん側にかがんだので、更に距離が縮まり、彼の足の間に入り込んでしまう体制になってしまった。
『え、やだ、ごめんなさい。』
「い、いえ。」
白井さんは微かに顔が赤くなっており、私もさすがに恥ずかしくなってしまった。
「白井、顔あけーぞ。」
「羨ましいなあ。」
一緒に来ている会社の人達が冷やかして来た。
「いやいや、マジやめてくださいって。」
白井さんは気まずそうな顔をして、なぜかすみませんと謝って来た。
謝ることなんてないのに。
今時珍しいというか、ピュアな感じで可愛らしい人だな。
「Aさん、ご指名入りましたので少しお借りします。」
『あ、はい。』
後ろから店長の声が聞こえ、急遽ここのテーブルを去ることとなる。
「ヘルプの女の子つけますのでお待ちくださいね。じゃあAさんはこちらへ。」
『白井さん、一旦失礼します。』
「はい。」
顔が赤いままの白井さんに手を振って、後ろを振り向くと。
殺気立った零くんの姿が私をとらえて睨んでいた。
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まゆたろう(プロフ) - n.uさん» ありがとうございます(^^)誤字ありましたね、申し訳ないです。ただいま訂正しました!あと少しですが、お楽しみいただければ嬉しいです。 (2018年9月27日 17時) (レス) id: 1019147dc2 (このIDを非表示/違反報告)
n.u(プロフ) - 更新楽しみにしています。146.に誤字が見受けられます。毛利さんの台詞「○○ちゃんを流せたら」ではなく、「○○ちゃんを泣かせたら」ではないでしょうか? (2018年9月25日 7時) (レス) id: a82032a9c1 (このIDを非表示/違反報告)
まゆたろう(プロフ) - 紫蝶桜さん» いえいえ(^^)そう言っていただけて良かったです!また何かあればお気軽にコメントくださいね♪ (2018年8月29日 18時) (レス) id: 1019147dc2 (このIDを非表示/違反報告)
紫蝶桜 - まゆたろうさん» おぉっ!入り方が上手いですね!自然で分かりやすいです!リクを叶えてくれてありがとうごさいます! (2018年8月29日 14時) (レス) id: eb2d3ebf3e (このIDを非表示/違反報告)
まゆたろう(プロフ) - 紫蝶桜さん» 書いてみましたが、いかがでしょうか?まだ途中ですが、入りはこんな感じにしてみました! (2018年8月24日 23時) (レス) id: 1019147dc2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まゆたろう | 作成日時:2018年7月29日 1時