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『ん?誰だ?この人達。』
それは4人の男性が写っていたものだった。
そのファイルを次々に見ていくと、同じ人達が写った写真ばかりがあった。
零くんが映ってるのもあるけど、やけに若いというか幼い感じがするな。
元々童顔だけど、特にそう感じた。
でもみんなすごく仲良さそうだし、楽しそうなのが伝わって来る。
「おい。」
『っわ!』
ぼーっと見ていると、シャワー上がりで腰にタオル1枚のみの零くんに気が付かず、後ろから声を掛けられビクついてしまった。
「勝手に人のパソコンをのぞくな。」
『だって…えろいやつ見てるのかと思って。』
「は?お前はバカか。」
『だって男が1人で真剣にパソコン見てるといえばそんな気がして。』
零くんは呆れ顔をしてため息を吐く。
「で、パスはどうした。」
『そ、それは…えっと…』
「どうせ前に俺が打つのを見ていたんだろう。」
『はい。すみません。』
「まったく…」
零くんは私の頭をくしゃくしゃにしながら、横に腰を下ろした。
『ねえ、この人達は?零くんのお友達?』
「ああ。警察学校時代のな。」
『へえ。仲良かったんだね。』
「今日花火を見てたら、ふと思い出したんだ。警察学校の在学中にこいつらと花火を見たことがあったからな。懐かしいと思って見ていただけだ。」
『そういえば零くんの友達のこと、何も知らなかった。』
「見ての通り…かは分からないが、4人とも個性が強くて一緒にいて楽しかったよ。」
『写真見てて分かるよ。私も会ってみたいな。』
「……それは…無理なんだ。」
『え…』
零くんの顔からして冗談で無理と言っているのではないということはすぐに察した。
「もう…いないんだ。」
『……』
言葉が出なかった。
もう…いないって…
寂しげに口を開いた零くんは、髪の毛をかきあげて俯く。
『ごめんなさい。私が勝手に見たから…辛いの思い出させちゃって。本当にごめんなさい。』
「いや、いいんだ。俺が写真を見ていただけだから。お前が気にすることじゃない。」
そう言いつつも、零くんは顔を俯いたまま私の方を向こうとはしない。
そんな零くんを放っておけるはずもなく、私は思わず抱きしめた。
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まゆたろう(プロフ) - n.uさん» ありがとうございます(^^)誤字ありましたね、申し訳ないです。ただいま訂正しました!あと少しですが、お楽しみいただければ嬉しいです。 (2018年9月27日 17時) (レス) id: 1019147dc2 (このIDを非表示/違反報告)
n.u(プロフ) - 更新楽しみにしています。146.に誤字が見受けられます。毛利さんの台詞「○○ちゃんを流せたら」ではなく、「○○ちゃんを泣かせたら」ではないでしょうか? (2018年9月25日 7時) (レス) id: a82032a9c1 (このIDを非表示/違反報告)
まゆたろう(プロフ) - 紫蝶桜さん» いえいえ(^^)そう言っていただけて良かったです!また何かあればお気軽にコメントくださいね♪ (2018年8月29日 18時) (レス) id: 1019147dc2 (このIDを非表示/違反報告)
紫蝶桜 - まゆたろうさん» おぉっ!入り方が上手いですね!自然で分かりやすいです!リクを叶えてくれてありがとうごさいます! (2018年8月29日 14時) (レス) id: eb2d3ebf3e (このIDを非表示/違反報告)
まゆたろう(プロフ) - 紫蝶桜さん» 書いてみましたが、いかがでしょうか?まだ途中ですが、入りはこんな感じにしてみました! (2018年8月24日 23時) (レス) id: 1019147dc2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まゆたろう | 作成日時:2018年7月29日 1時