１０３ YG ページ3
与えられた食事は美味しくて
母親と父親に何も食事を作って貰わなかったことを思い出す。
「…美味い？」
SG「美味いよ、初めて食べたこんな美味いの」
「そうかそうか」
俺がこいつに従わなきゃいけないのはすぐ分かった
こいつは阿呆そうだ。
…けど、俺個人を大事にしてくれる。
他の奴らより群を抜いて、むしろ大人のこいつより賢いであろう俺のことを何の驚きもせずに接してくれる。
SG「…あんたは何でこの仕事をしているんだ？」
「…あ？」
SG「言いたくないなら別に」
「俺がお前みたいに人生を諦めている奴だからだよ」
そんなやつが何故まだ生きているのか？
よくよく聞けば、人を探しているらしかった。
キム・ミンソクという名前なのもその時知った。
シウミンと呼ばれているのにはきっとここのルールがあるのだろう。
ミンソクは優しかったし、他の主人より格段に扱いが良かった。
ミンソクは知識がなかった。
ストリートチルドレンだったようだ。
聞かなくても想像がつくのに、わざわざ教えてくれた。
だから俺はあいつに沢山のことを教えた。
海の向こうには違う大陸が広がっているだの
地球は丸いだの
意味もないことばかり。
気づけば離れ難い存在になっていたんだ。
「…ユンギ、話がある」
SG「…ああ」
ミンソクは俺を自室に連れていく。
もう分かっている。
顔見知り程度の同期は売られていった。
死んだとか炙られたとか幸せとは程遠い売られた結果ばかりを小耳に挟んだ。
次は俺の番か。
「…さすがユンギだ、分かるんだな」
SG「馬鹿でも察する、こんなもん」
「じゃあ単刀直入に、…売られることになった」
SG「いつ？だれにだ」
「明日。ミン・ソンジェ。他に質問は？」
SG「ない」
「よく出来た俺の弟だったよユンギ」
ぐ、っと手を握られて
ミンソクは俺の手に何かを押し込んだ。
SG「これ、ミンソクの」
「そうだ、俺とお揃い」
SG「お揃い…」
ミンソクの細い足首についているものと同じミサンガ。
交互に見比べて、じわりと心に温かいものが沁みわたるのを初めて感じた。
「ユンギ、もうひとつ話がある」
SG「あ？」
「お前は一目みたらどんな人間か分かるだろ
とりあえず様子見でシュガだと言え
信じられない人間ならシュガで通せ
相手の反応によってはお前を返してもらう」
SG「シュガ…分かった」
お前が必死に考えてくれたんだろう名前を
大事に胸に刻んだ。
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caratちゃん(プロフ) - 続きがきになるぅ笑るぅはんとか出してくれるあたり好き (2019年8月11日 20時) (
レス) id: 7fca833944 (このIDを非表示/違反報告)
名無し24407号(プロフ) - 続きはどうでしょうか・・・一気に読んだので、続き気になります…最終話からかなり経ってるし…読めないかな… (2019年7月17日 18時) (レス) id: 6ceee168e8 (このIDを非表示/違反報告)
蓬(プロフ) - ゆぅにゃむさん» 早速読ませていただきました！修正ありがとうございます！ (2018年4月3日 23時) (レス) id: c78f3d5d68 (このIDを非表示/違反報告)
ゆぅにゃむ(プロフ) - 蓬さん» 蓬さん、初めまして！本当ですね、ありがとうございますTT本当に申し訳ないです、今から修正致しますTT (2018年4月3日 23時) (レス) id: 71b3ec49cf (このIDを非表示/違反報告)
ゆぅにゃむ(プロフ) - あがしおんさん» あがしおんさん、初めまして！ありがとうございますTT頑張りますね！お返事遅くなりすみませんでした… (2018年4月3日 23時) (レス) id: 71b3ec49cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆぅにゃむ | 作成日時：2018年3月9日 19時
