ゆなのラプソディ。 ( 短編集 )

わがままボーイ ( C.Y ) ページ2

.





私の方を向くことなく、携帯ゲームを始める彼。



本当にドライブ行く意味あるのか、と問いただしたいくらい彼の考えていることは不思議。






どこ行くか考えて、カーナビや携帯で検索している私に、ボク…、と小さく声を漏らして彼は






侑李 「 Aの運転する横顔が見たいだけだから 」





なにそれ…、反則すぎるよ。



イエローカードぶっ飛ばして、レッドカードを出したいくらい、ズルすぎるその一言。



頰がぽっと赤くなっていくのが自分でもわかる。






侑李 「 ……海。行こっか 」






ちょっぴり震えた声でそういって、照れ隠しするかのように慣れた手つきでカーナビを設定する彼。





A 「 うん。…そうだね 」

侑李 「 意外、って思ったでしょ？ 」

A 「 ちょっと… 」





暑いのがニガテな侑李がわざわざ海を選択するなんて珍しい。





侑李 「 雄也が…。あ、友達がね、写真見せてくれたんだ。それがすっごくキレイでさ… 」






目をキラキラさせて私にスマホの写真を見せる彼。





A 「 じゃー…、行きますか！ 」

侑李 「 しゅっぱーつ！ 」





侑李 「 ……あ、待って。 」





そういってハンドルに乗せた左腕に侑李の右手が重なって、彼の方を振り向いたと思えば、





A 「 …！ 」

侑李 「 ふふ。運転がんばってね 」






ちゅっと唇が重なって、離れるとすぐに定位置に戻って目を閉じる彼。






……わがままボーイに恋してます。






fin.

私の彼は ( Y.K )→←わがままボーイ ( C.Y )

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す