十一 ページ11
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あれから__年後。
ようやく仕事にも慣れて、主のことも真顔で躱わせるようになってきた頃。
数年前と同じように領議政に呼ばれた。
JM「あの親父はよほど暇なのか、何かあればすぐに呼び出すのなんとかならないわけ?」
JK「ヒョン…人を替えない限り無理かと。」
『今日もなんとか丸く収めましょう。どうせ滞っている法律案や取り組み改善へのいちゃもんでしょう。』
JM「もうお前がやりな。それが一番国の為だよ。」
JK「本当に、逸材を見つけましたね。」
ここ数年で変わったことは、私の才能(?)が開花したのか難しい仕事も任せられることがしばしば。外交関係改善のために智旻様と何回他国へ渡ったかわからないほど出張が増えた。
これが功を成したのか、主が逃げる回数が減った。なんだかんだ文句を言いつつも色んな国へ行ける楽しさや文化に触れるのが楽しいらしい。飽き性な主にこの仕事はぴったりだったようだ。
回想のように頭の中でここ数年の苦労を思い出していると呼ばれた部屋についた。
「第二皇子、お久しゅうございます。」
JM「忙しい時間を割いてまで来たんだから手短によろしく。」
「では本題へ…」
領議政が話す前に一瞬私に目配せをした。
なんだ、私に関係することか?
柾國さんに視線を向けても彼もわからないようだった。
……私の直感はよく当たる。それはこの数年間でわかったこと。何だか良くない話な気が…
「A殿が育ってきたでしょう。なので隣国に婿入りさせるのは如何かと。」
JM「………」
お願いします智旻様、眉間に皺を寄せるのは恐ろしいのでやめてください。
私への話なのに主の顔を見て一瞬にして頭から話が飛んだ。
そして笑顔でただ一言。
JM「そんなくだらないことを言うためだけに俺を呼んだなんて言わないよね?」
あぁ…こめかみがキリキリと痛む。
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作者名:くぅ | 作成日時:2023年11月19日 21時