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「久しぶりに来たな。」
JK「はぁ…ここ来るの嫌なのに」
「ごちゃごちゃ言わずに案内して」
柾國が嫌な理由は理解できる。だから俺も全てここの管理は柾國に任せていたのだから。
ここでは歩くだけで女が寄ってくる。
皇帝が来ないからと言って他の者に色目を使うなんて…
「だからここは嫌いだよ。」
俺が誰かも知らずにベタベタと触れてくる女達を一刀両断したい気持ちをなんとか抑えてここに来たのには理由があるのだから。
「やぁ、久しぶり。」
?「…あら?生きてたのね」
「君だけは俺を知っててもそんな態度を取るから好きだよ。」
?「好かなくていいから出してほしいね、後宮から。」
「…それは皇帝にお願いしにいかなきゃだね?」
唯一ここで俺が第二皇子と知る妃、イサラン。後宮の序列で言えば2番目に偉い女。
SR「ふっ…無理な話ね。それで用件は?」
「君のところにいる奇妙な女中に会いに来たんだけど…君かな?」
俺が手を差し出すとびくついた女の子。お茶菓子を出す手が止まってしまった。
SR「はぁ…下がりな。」
サランの一言で頭を下げて静かに下がった女中は俺を怯えた目で見ていた。
…どこかで会ったのだろうか。覚えがないが。
SR「女一人探せるくらい暇ならここのことをどうにかしてよね。」
「なぜあの子を下げた?俺は会いに来たのに」
SR「あの子にはあの子の事情があんのよ。それに…あんたが言ってる奇妙な子でもない。」
「早く連れてきてよ、俺だって暇じゃない」
サランと向かい合わせに睨み合っていると柾國が外を見て声を漏らした。
JK「……ぁ!」
「何?」
SR「逃げなさい!ここに来るな!!」
サランが叫んだと同時に外の茂みから女が飛び出した。
あぁ…厄介なことしてくれた。
「柾國、俺逃げられるの嫌いなの知ってるよね?」
JK「っ、すぐに連れてきます」
「いや、お前はここにいて。」
JK「…はい?」
「俺が直々にここに連れてくるから。サラン見張っといて、あとここの女中も一箇所に集めて捕まえといて。」
JK「御意。」
さっき俺に怯えていた女の衣の色は…薄紫の衣だったな。
「案外早く見つけられそうだな。」
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作者名:くぅ | 作成日時:2023年11月19日 21時