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可哀想な妃がこの王宮に数多くいる。現皇帝に手がつけられていない妃が奥にある後宮で息を潜めて暮らしている。
…とは言っても、今の皇子達からは増やされていないだけ。前皇帝のときに迎えられた妃たちが多く居るのだ。
今回のお話はその後宮にいる、奇妙な噂がある女官と自由奔放な皇子のお話である。
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「智旻様、後宮に変な噂が出回っています。」
「興味ない、柾國に任せる。」
「はぁ…じゃあ面白い女中の話も聞かなくてよろしいですね。じゃあ次は、」
「それは聞く。」
「……聞くのかよ。」
「最近本当に生意気になったよね。いい度胸だよ、来月の給金楽しみにしててね。」
「あー…側近やめたい。」
この国には皇子が二人いる。
今話してるのが第二皇子の智旻様、そしてその側近である柾國。優秀な側近だ。
「面白いって皇后よりも?俺が興味持ちそうなやつ?」
JK「自分で見てご判断を。ただ…少し奇妙ではあります。」
「え…化ける的なやつ?そういうのはちょっと求めてない。」
JK「……俺は平穏を求めてます。」
「平穏でしょ?何我儘言ってんの。罰せられたいの」
JK「その発言がもう平穏からかけ離れてる…ってそんな話じゃなくて!」
柾國の話はこうだ。
後宮で一番美しいと言われている妃が最近まで病で床についていたらしい。
だが、医官が向かって診察しようとしたら彼女はもう元気だったと。
とある女中に薬を煎じてもらい飲んだらこの通り、病でふせる前より元気だという。
「…待て、医官でもないやつが薬を煎じたと?」
JK「そうです、しかも妃は元気になってます」
「…ふ〜ん。で、その子どこに配属されてるの?」
この言葉を聞いた柾國は女中を可哀想だと思った。
JK「(ご愁傷様です…)」
智旻様に目をつけられた女の子は逃げられないから。
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作者名:くぅ | 作成日時:2023年11月19日 21時