◇手の上なら尊敬のキス ページ1
ふわり、カーテンが揺れる。
しん、と静まりかえった空間に、音もなく現れたのは、彼。
「A嬢、こんばんは」
『あら、今夜も素敵な怪盗さん、お仕事は終わったの？』
ベランダに降り立った彼ーー怪盗KIDは開け放たれたままの窓から声をかけると、一礼して部屋へと入った。
「ええ。でも残念ながらハズレ...貴方の顔が見たくなったので、此処へ来てしまいました」
『...要は、その宝石を返しておいてくれと？』
仕方ないわね、と笑う彼女に、心臓が音を立てる。
言い方を変えれば、と微笑んで、本日の獲物ーールビーベリーのネックレスを彼女へとかけた。
「どちらかと言えば、このネックレスをかけたA嬢の姿を一目見てみたかったから、かな」
『駄目よ、私みたいなのがつけたら血の塊に見えてしまうわ』
本人は、ほんの冗談だったのだろう。
けれど、その言葉にどうしようもなく切なくなって、彼女の前で膝を折る。
「そんな事はありませんよ...貴方は、この宝石がよく似合う...綺麗な心の持ち主です」
そう言って手を取りキスをすれば、彼女の肩がぴくりと震える。
ありがとう、と小さく聞こえた声に、口角が上がった。
「...よろしければ、夜の空中散歩をご一緒にいかがです？」
『...お言葉に甘えるわ、怪盗さん』
手の上なら、尊敬のキス ーーFin.
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ユナ(プロフ) - はろーきてぃ様。さん» 感想ありがとうございます...！最近この夢主シリーズ書けてないのでまた落ち着いたらやってみます´`* (2022年6月2日 10時) (
レス) id: fe944991a4 (このIDを非表示/違反報告)
はろーきてぃ様。 - きゅんきゅんした〜！めっちゃおもしろかった！ (2022年6月1日 22時) (レス) @page21 id: 278a10c8d3 (このIDを非表示/違反報告)
ユナ(プロフ) - 流れ星さん» コメントありがとうございます！遅くなりすみません。お気に召して頂けたようで嬉しいです！私の欲望のまま書きなぐってますが...(^^;;頑張ります＊ (2016年6月1日 19時) (レス) id: c161ddb9a6 (このIDを非表示/違反報告)
流れ星 - 初めまして!!ユナさん、すごいです！本編と純黒編を読ませて頂きましたが、これも含めてどれもキュンキュンしました！これからも頑張ってくださいp(^^)q (2016年5月30日 13時) (レス) id: 1ea4448835 (このIDを非表示/違反報告)
ユナ(プロフ) - かなとさん» 本当ですか？良かったです！笑 いつもありがとうございます＊ (2016年5月25日 10時) (レス) id: c161ddb9a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユナ
| 作成日時：2016年5月19日 20時
