◆いつかその手を1 ページ35
『ええ、もちろん...当たり前でしょう?追われている身で、わざわざそんな所行かないわ』
警察や救急隊の目を掻い潜って、マンションまで辿り着いた後。
アスティーーAはベルモットからの着信に冷静に対応する。
ピ、と通話を終えると、ベッドに腰掛けるバーボンーー安室へと向き直った。
『それじゃあとりあえず...脱いで貰える?』
「...もう少し可愛げのある誘い方の方が好み、」
『下らない事言ってると傷口に塩塗りこむわよ』
マズい、これは相当怒っているな、と顔を引きつらせるも既に遅く。
言われた通りTシャツを脱げば、打撲、切り傷、擦り傷など。
一瞬動きを止めた彼女だったが、言葉とは裏腹にその手当ては丁寧で優しくて、安室は視線を逸らしたままこっそり息を吐いた。
床に膝を立て、正面から最後の横腹の傷を手当てしたところで、その腕が腰へと回され、びくりと肩が跳ねた。
「A...?」
その顔は俯いていて、上からでは表情が見えない。
『...心臓、止まるかと思ったの...倉庫で貴方が銃を突きつけられた時』
「...ごめん」
ああ、やはり気丈に振る舞うその裏で、震えていたのだなと思う。
込み上げたのは、罪悪感と...愛しさ。
自分も大概だな、と内心ため息をつく。
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夕月(プロフ) - ユナさん» その時はまた読みに行きます!頑張って下さい!応援してますよ! (2016年5月18日 23時) (レス) id: f0544b0ee0 (このIDを非表示/違反報告)
ユナ(プロフ) - 夕月さん» ありがとうございます!とても嬉しいです!申し訳ありませんが一度完結にさせて頂きましたm(_ _)m別作品にて更新していこうと思いますので、よろしくお願い致します! (2016年5月18日 23時) (レス) id: c161ddb9a6 (このIDを非表示/違反報告)
夕月(プロフ) - どの話も良かったですよ!(笑)私、この話凄く好きです!番外編も続くのなら楽しみにしてます! (2016年5月18日 20時) (レス) id: f0544b0ee0 (このIDを非表示/違反報告)
ユナ(プロフ) - まいまいさん» コメントありがとうございます!遅くなり申し訳ありません。。本当に励みになります!頑張ります* (2016年5月13日 13時) (レス) id: c161ddb9a6 (このIDを非表示/違反報告)
ユナ(プロフ) - 立体起動装置愛用者さん» コメントありがとうございます!遅くなり申し訳ありません。。とても嬉しいです!まだまだ未熟ですが温かい目で見て下さると幸いです笑。また覗きにきてやって下さいませ*頑張ります! (2016年5月13日 13時) (レス) id: c161ddb9a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユナ | 作成日時:2016年5月9日 17時