【名探偵コナン】映画沿い:純黒の悪夢【安室】

18.発見 ページ19

「ありがとう...でもAさん、どうしてここに？」
『...逃げて、きちゃったから？』
「え！？」


階段を上りきったところでコナンを降ろし、問われた質問に首をかしげて答えれば、驚かれる。
それはそうだろう。
今まで、裏からのサポートはあっても、彼女が堂々と現場に乗り込んできた事は無かったから。


『冗談よ。この件が終われば組織に戻るわ。私の居場所は...ううん、何でもない』


少し自傷めいた顔で口にした言葉を途中で切り、首を横に振る。
それより、と続けた。


『今は時間が無いわ。急ぎましょう』
「...うん！」


さあ、と差し伸べられたその手を、しかりと取った。









向かうは、中心部ーーつまり、車軸が見える場所。
コナンを抱き抱えたまま走り、時折柵から飛び降りて時間短縮を図る。



「！Aさん！あれって...！」
『全ての車軸の先に小さな箱...コード...は、消火栓ボックスに繋がってる...か。怪しいわね』


恐らく、ボックスの中には起爆装置。
想像するに容易い光景だ。


無闇に扉を開けない方が良いと判断し、穴埋めテープ部分をかき分けて覗く。


「！やっぱり...Aさん、解体って出来る？」
『いいえ...私そっちは専門外で...あの2人(・・・・)なら可能だと思うけど...』


ごめんなさい、と彼女が目を伏せた時。
頭上で僅かな物音がした。

19.許容範囲外→←17.決意

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す