【名探偵コナン】萩原姉の親友は松田陣平がお好き

昔話と共に話そうか。２ ページ27

一瞬貼り付いた紙は、ヒラヒラと地面へ落ちそうになるもAがパシりと掴みグシャリと潰した。



『大体ね！こんな事していいと思ってんの！？じんぺーくん自身が何かアンタにやった訳！？』
「っ、やってねぇけど、松田の父ちゃん人殺しだろ！？なら松田も同類じゃんか！」
『･･･言っとくけど、アレ絶対ゴニン逮捕だから。それにね、人殺しってんならアンタが今やってる事も同じだよ！』
「はぁ！？」



ズイ、と近づいたかと思えば、丸めたさっきの紙切れをそいつのTシャツの胸ポケットに乱雑に突っ込むA。



そしてその上にピシッと人差し指を当てたかと思えば、キッと鋭くした目で睨みつけた。




『今アンタがやってる事はね、じんぺーくんの心を殺してるのと一緒なんだよ！』
「！」
『･･･つぎやったら、本気でビンタするから覚悟しといて』



その迫力に押されたのか、慌てて走り去っていく奴らに、その紙切れ道端に捨てないでよ、親に見せなさい！と追い討ちをかけるように叫ぶAは、周りに誰も居なくなったころ、はっとしたように振り返った。






『･･････ご、ごめん、つい･･･余計な事だったかも･･･』
「･･･や、別に･･･」



さっきまであんなにデカい声で喋ってたのに、急にそれは小さくなって、俺の顔を直視せずにぽそりと呟くもんだから、何だかおかしくなってしまって、さっきまでの悲しさとかもどこかへ行っちまった。



これは、助けてくれたんだよな。そういや、こーやって2人きりで話すのは初めてかもしんねぇ。



「･･･あのさ、」
『っ！･･･うん、』
「･･････ありがとな、A」



慣れてる萩と違って、女子の下の名前なんて早々呼べねぇ俺が、いつもは"なァ"とか"あんた"とか言ってたけれど、初めてAって呼んだ後。



『･･････どういたしまして』
「！」



そう言ってふわりと笑った顔に、俺は人生2度目の恋をしたんだって話。









.









そしてそれを、最後の恋にしたいんだって話を、ちゃんとお前に伝えたいんだよ。



なぁ、全部隠さず話しただろ？



だから、いい加減、ちゃんと俺の顔見てーーー





ーーー返事しろよ、A。

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