【名探偵コナン】萩原姉の親友は松田陣平がお好き

伝え損ねた本音を今、３ ページ25

「･･･ざっけんなよ･･････！」
『･･･ごめん、心配した？』



腹の底から出されたような低い声に、びくりと肩が震えてしまったけど、そりゃあまぁ、あの大破した白バイ見たら心配はさせたかなと思っていたら、今度は肩を掴まれ押されて視界に陣平くんの顔が映る。



「･･･心配だァ？ンなレベルじゃねぇんだよ！！」
『！え、と、』
「っ、お前が！撃たれたかと思った時、心臓止まるかと思った･･･！！」
『･･････ごめ、』
「ブレーキ音と衝突音聞いて･･･っ、くそ、･･･本気で後悔するとこだった･･･！」



後悔？何を？そう聞こうと思ったのに、次いで落とされた爆弾発言で、あ、心臓止まりかけるってこういう事？なんて思う事になるなんて。





「･･････好きなんだよ、Aの事が！」
『･･････え』
「ずっと好きだった･･･」
『･･････うそ』
「･･･嘘じゃねぇよ。だから･･･もう無茶すんな･･･誓えよ、お前もっ、･･･殉職し(しな)ねぇって」



言えよ、頼む。






そう言ってもう一度抱きしめられて、ズルズルと力が抜けた脚がぺたんとアスファルトに着いて、一緒に陣平くんも座り込む。




陣平くんが？



わたしを？



すき？



え、すきって好き？



likeじゃなくてloveだと思っていい感じの？



隙？すき？






スキ･･････嘘ぉ。








あれ、何か、視界が赤い？



心臓ぎゅうってなったからかな。いや、これポタって落ちたの、多分血液だ。困ったな、陣平くんのスーツ汚しちゃったかも。



多分、破片かなんかで切っただけで、頭だから出血量が多いだけで、体温一気に上がったからアタマぼーっとしてきちゃった、だけでーーー






「･･･あの〜、刑事さん？」
「あ？」
「邪魔して申し訳ないんですけど･･･婦警さん･･･気絶してません？」
「･･･は！？」



あ、さっきの少年A、いやなんか、らんって呼ばれてた女の子がしんいち、って呼んでるぽいから少年S。



気絶はまだね、ギリギリしてないんだけど、頭回らなくて、目も閉じてしまって、声も出ないから･･･うん、気絶一歩手前かもしれない。




「っ、おい！A！？馬鹿！起きろ！」
「きゅ、救急車呼びます！！」



あ、陣平くん今馬鹿って言った、そこまで頭が認識して、ぷつんとわたしの意識は途切れてしまう。







ごめん、大丈夫だから、そんな泣きそうな声で、名前呼ばないでよーーーじんぺーくん。

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