【名探偵コナン】僕があいした、ただひとりの君へ２【諸伏景光】

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『...で？シェリー...で合ってるわよね？私なんかに何の話？』
「...私の事、知ってるのね」


カシュ、と音を立てて缶コーヒーを開けた彼女の手は爪までよく手入れされていて、思わず自分のそれと見比べる。


言わずもがな、日々実験に明け暮れる自身の手はよく薬品で荒れるから、お世話にも綺麗とは言えない。


「単刀直入に聞くわ...貴方、諸星大と一緒にいるところを見かけるけれど、仲が良いの？」
『...たまたまじゃない？そんなに頻度は多くないわよ、すれ違えば世間話をする程度で』


こくり、と飲み下す仕草さえ色気を放っていて、どういう風に育ったらこうなるのか少し気になった。


「貴方があんな風に、誰かと2人きりで話すところを見たこと無かったから気になったのよ」
『...彼と私、同じグリーンアイでしょう？』


その言葉に、思わず逸らしていた視線を彼女へと戻した。彼女の方が明るい色をしているから全く同じ色ではないけれど、そう言われれば共通点はあったのかと思う。


『意外と出逢わないから、出身は何処か尋ねたのよ』
「貴方から？」
『...何か問題ある？母国が同じかもしれないと思ったら、私だってそれくらいするわ』


それが用意されていた答えのような気もしてしまうけれど、筋が通っている以上、更に追求するには根拠が無くて。





『宮野明美』
「っ！」
『...貴方の実姉で、諸星大の...恋人。で、合ってる？』
「...ええ、」


突然発せられた名に、思わず缶コーヒーを握りしめる手に力が入った。


もしかしなくても、私が彼女を引き留めた理由に、気付いている？



『...可愛いところもあるのね』
「なっ、」
『お姉さんの事が心配になったんでしょう？私が彼を狙ってるんじゃないかって』


ふふ、とテーブルに肘をついて、彼女が笑う。可愛いって何よ、私の方が歳下だからって、そんなーー



『安心してよ。そんな気は微塵も無いから...別に貴方のお姉さんの趣味がどうこうとかそう言う事でもなくて』
「...当たり前でしょ」


思わずそう返せば、声を上げて彼女が笑った。それが意外すぎて、思わず見つめてしまう。こんな風に、笑うのか、と。

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