【名探偵コナン】僕があいした、ただひとりの君へ【スコッチ】

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『...好きでもない男とやるなんて、死んでもごめんだもの』
「...え、」
『あら、私、最後までしない主義よ？高いとは思ってないけど、安売りするつもりもないし』



シレッと告げてグラスを取った彼女は、こちらを見たまま薄く笑ってみせる。






「(う、わ...)」



いや、お前は高いぞ、多分。
初めて自身に向けられたそれは、破壊力が凄くて。
間近で見るもんじゃないなと思いつつも、嬉しさが広がったのも事実。





『それより足りる？なにか追加で頼みましょうか？貴方、この仕事する前は食事を摂らないと聞いていたから、』
「...っ、」



テーブルの隅に立てられたメニューを取り、尋ねてくる彼女。
おいおい待て、それもまさかライに？




そんなの、どうして、そんな事まで気にしてーー





「...優しいんだな、」
『...人によるけど？』
「は、」



そんな事言われたら、男は簡単に勘違いするぞ、そう揶揄い返してやろうと思ったのに。




『信用出来ない人と、食事を共にする必要性あると思う？』




ぽかん、とする俺が可笑しかったのか、控えめに声を上げて笑う彼女が、ひどく眩しく見えたのは。






ーー自分が汚れていると、自覚しているからだろうか。

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