【名探偵コナン】Pellucid Strawberry 2【安室・赤井】

61.Mansion of twilight 9 ページ13

千間降代ーー橋を見に行く為乗車した車に仕掛けられた爆弾により爆死。

毛利蘭、一之瀬A、石原亜紀ーートイレにて薬を嗅がされ軟禁。

白馬探ーー槍田により射殺。

槍田郁美ーードアノブに仕掛けられたトラップにより毒殺。

毛利小五郎ーー茂木により銃殺。

茂木遥史ーータバコを素手で掴み吸った事で毒殺。







「(やはり探偵を集めても...解けなかったか...)」


モニター室で一人頭を抱える真犯人。
何も解けぬまま全員死に絶えた事に、落胆した時ーー


突如一つのカメラが切られ、パソコンに文字が入力される。



"宝の暗号は解けた
直接口で伝えたい
食堂に参られたし
我は7人目の探偵__"


「！？」


あり得ない光景に、彼女(・・)は部屋を飛び出し駆ける。
言われた通り食堂に着いたが、中の気配を探る前に、後ろから小さな影に声をかけられた。



「(一体何者が、)」
「通常、車に爆弾を仕掛けた人物がジサツ以外の目的でその車に乗るのは考えにくいが...」


はっとしたように振り向けば、そこに居たのは。


「例外はある...その爆発で自分が爆死したかのようにカムフラージュするケースだ...そうだよな？千間探偵...」
「！」


それから、小さな探偵による鮮やかな推理ショーが行われた。



この晩餐会を企画したのは、大上だった。
彼の殺害方法は、全てのティーカップの取っ手の繋ぎ目の上に青酸カリを塗っておき、爪を噛む癖を利用したもの。


同じ癖を持つ石原をメイドに選んだのは、同様の手口でいつでも殺害できると思ったから。


事の発端は、40年前父を烏丸蓮耶に殺された事ーー館に隠された宝の在り処が分からず、招待客であった学者達に暗号を解読させるため、見せしめに1人ずつ館内で彼らを殺し始めた事件ーーを大上にもらしてしまった事。


同じく見せしめに誰かを殺し、探偵達を追い詰め、罪はキッドに被せるつもりで。


けれど宝の在り処が分かれば大上が自身を含めて皆殺しにするつもりだと気付き、彼の殺害に及んだと言う。



「結果は40年前と同じ...暗号は解けず惨劇を繰り返しただけだったねぇ...」
「いや、貴方の父さんは暗号を解いてたみたいだぜ？」
「え？」


そう言ってこの館で唯一の壁掛け時計の針を、推理通り0、左に13、左に12、右に11と動かしていくとーー




カシィィン！と重たい音を立て落下した時計の塗装が剥がれ、内側から純金が姿を覗かせた。

62.Mansion of twilight 10→←60.Mansion of twilight 8

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す