いち、に、さん ページ16
「っ」
『あ、ごめん踏んだ』
不機嫌そうに睨んでくる彼を可愛いなとか思ったりしつつ次の場所へ足を運ぶ。
１、２、３。１、２、３。
ワルツを踊るようにゆったりと、互いの身体を密着させて。
月をスポットライトに踊る。
自分がリードしていた筈なのに段々と彼がリードしていた。
『わっ』
急に腰を掴まれてふわりと宙に体が浮く。
驚きの余りに降ろされた途端に彼にしがみつく。
「近い」『ごめんて』
思わず笑みが溢れる。
そうやって何回かステップを踏んでは躓き、失敗して笑って。成功して笑って。又ステップを。
そう繰り返しているうちにふと、彼が口を開いた。
「…Aは」
『ん、？どしたの。』
そう言うとクルッとその場で一回転をさせられて、体を倒された。
「後悔って、ある？」
『…さあね。』
はぐらかして私たちはまた、踊り出す。
『そう言うリンクはどうなのさ。』
「…わからない。けど、」
「したくはない。」
タタンッとステップを踏む。
『そっか。』
「Aはどう？」
『私もしたくないかな。』
クルクルと紅茶に溶け込む角砂糖のように回る。
『急にどうしたの。らしくないじゃん。』
すると、ステップが突然終わった。
「あの時、」
『あの時？』
「イーガ団が倒れた時」
「なんで、悲しそうな顔したの。」
リンクside
「なんで悲しそうな顔したの。」
そう言うと、彼女は綺麗な目を丸くした。
そして、睫毛を振るわせ瞳を閉じ、顔を背けた。
その流れるような仕草は鳥が羽を広げるように美しかった。
『流石勇者様。かな。』
そう言ってAは少し切なげに微笑んだ。
月が彼女を照らし、髪がキラキラと光り風に揺れる。
『私の居場所は元々あそこだった。』
そう言って彼女はポツリポツリと自分の過去を語り始めた。
どうしてあそこにいたのか。どうやって育ったのか。
どうして団を辞めたか。団員はどのような存在だったか。
語る彼女は懐かしそうに寂しそうに。
楽しそうに話してくれた。
『まあ、こんな感じだよ。私の過去は。』
「そっか…Aってやっぱり昔からお転婆なんだね。」
『ディスってる？？？？』
「そんなわけない。」
『…リンクは、私をどうするの？』
不意に紡がれたその言葉に思わず「え」と声が出る。
『だって、私は元はだけどイーガ団だよ？寝返って姫様を殺すかもしれない。』
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葵 - リンクかっこいいい死ぬ！（（（ゑ 後初見です！神作品を作ってくれてありがとうございます (8月25日 1時) (
レス) id: 5828b1967c (このIDを非表示/違反報告)
くまぁ - イーガ団のがぴちぴちの全身赤タイツ着てるのがそらなすぎてめっちゃ笑っちゃいました！リンクがカッコ良すぎてにやにやがとまらなです…！ (8月20日 1時) (レス) @page18 id: b91ebddc7f (このIDを非表示/違反報告)
きのこ(プロフ) - スッゴク読みやすくて、リンクがとにかくかっこいい、、、。 イカれバナナと爆弾中毒者は面白かったです!! (8月7日 14時) (レス) @page18 id: 341e3469a0 (このIDを非表示/違反報告)
空音(プロフ) - 本当ですか？！！パイナップル聖人さんありがとうございます！(*´-`)ちょこちょこですが頑張って行きたいと思うので何卒よろしくお願いします…！リクエストなどのネタ提供もあったら嬉しいです…！！＼(^o^)／<ｵﾈｶﾞｧｱｱｧｧｱｱｧｱｲ (6月7日 6時) (レス) id: e1d383aad9 (このIDを非表示/違反報告)
パイナップル聖人 - このお話好きすぎる！お話作るのうますぎて尊敬しかないです( ＾ω＾ ) (6月5日 22時) (レス) @page5 id: c45b8ce58e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：空音 | 作成日時：2023年6月3日 13時
