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会ってあげるとは言ったものの、
『やっぱりやだなぁ…』
乗り気ではないのが正直な所。だって、何も音沙汰なく平凡に過ごしてきたのに、急に「会いたい」なんておかしな話でしょう。何故か先週も会ってましたみたいな感じだけど、一応これ10年ぶりだからね?10年って産まれたての赤ちゃんが小学4年生になっちゃうくらい長い期間だからね?
っていうか、昨日なんで悟の家に居たんだろう。そうか。まずそこがおかしいんだ。丁度いい。ついでにその真相を暴いておさらばしようじゃないか。
「やっ、昨日ぶり」
『…』
仕事を終えて、待ち合わせ場所の駅前に到着するとそこに居たそいつ。どうやら私より早く着いていたらしい。黒いシャツにサングラス。相変わらず、意味が分からない程スタイルは良いし、顔も整っている。
「ありがとう、会ってくれて」
『別に、これ…で…』
最後だから、って喉元まで出かかった言葉を呑み込む。だって、目の前で悟が嬉しそうにニコリと笑っているから。いざそんな彼を前にすると、喉につっかえて言うことなんて出来なかった。
私に会えてそんなに嬉しいんだ、なんてふと思ったり。
「ここじゃなんだし、乗る?」
『どこかへ連れてく気?』
「まさか。ただ送るだけだって。もう夜遅いんだから」
悟は高級車であろう車に目を向けて乗り込むよう催促する。何かされるんじゃないかと疑いの目を向けるが、悟は微笑んだままだ。
でも、よくよく考えてみれば今日でもう会う事はないんだ。明日からはまた悟がいない日が続いていく。だから最後くらいいいかな、なんて。
『……じゃあ、お願いしようかな』
長く居ればいる程、別れる時辛いって知ってるのに。私はそんな気の迷いでそう言ってしまった。
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ロゼ(プロフ) - マニ。さん» コメントありがとうございます!!以前、少々トラブルがありましてボードは現在していないんです💦お声いただいたのに申し訳ありません🙇ご声援、ありがとうございます^ ^ (1月14日 0時) (レス) id: a0125a0dc0 (このIDを非表示/違反報告)
マニ。(プロフ) - ロゼさん» ✉️。こんにちは!とても面白いです!もしよろしければ一緒にボードで会話しませんか?お返事お待ちしています💝、更新応援してます! (1月9日 18時) (レス) id: b32654e3a5 (このIDを非表示/違反報告)
ロゼ(プロフ) - 眠民。さん» そんな風に言っていただけてほんっとに嬉しいです!夢主ちゃんもごじょるもそんなに褒めていただけるとは…!!ありがとうございます😭更新不定期ではありますが、待っていただけたら嬉しいです♡♡ (12月13日 22時) (レス) id: a0125a0dc0 (このIDを非表示/違反報告)
眠民。 - コメント失礼します!!夢主ちゃんの性格が好き笑 ごじょせん推しというわけでは無いのですがこのごじょせんはマジでカッコいいっす‥。続き待ってます!!1日のご褒美なのでロゼさんの小説‥ (12月13日 16時) (レス) @page12 id: 7e432fa76e (このIDを非表示/違反報告)
ロゼ(プロフ) - ねかあさん» コメントありがとうございます~!!推しの供給ってマジで大切ですよね😖ねかあさんにとって本作が少しでも供給になれていたら嬉しいです(ᵒ̴̶̷-ᵒ̴̶̷ ) (11月1日 23時) (レス) id: a0125a0dc0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ロゼ | 作成日時:2023年10月29日 8時