【呪術廻戦】復縁なんてお断り

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慌てて人気のない廊下に移動して再び携帯を耳に当てる。何で私がこんな思いをしないといけないのか。





『何で番号知ってんのよ！』


「何でって、昨日Aが寝てる間に登録したからだよ」





当然でしょ？とでも言いそうな口ぶりに腹が立つ。最悪だ。今度こそ白目をむいていることだろう。こんな事になるなら、そもそもお酒を飲むんじゃなかったと後悔。






「ってことで、今日会える？正確には、今日 "も" だね」


『…さようなら』


「ちょ、ま、待って！」


『何？私は会いたくない』






職場という事もあり、怒りを抑えつつも低く冷たい声色で話した。仕事中に電話してくるとか舐めてんのか。何が今日 "も" だよ。





「僕は会いたい」


『…っ、今更』


「お願い」





どうしてこうなるんだろう。子犬みたいに言っちゃってさ。そういうのに私が弱いって彼奴は全部分かってやってるんだ。





『……分かった。会ってあげる』





どうせ断っても、あっちが折れる事はまず無い。一応元彼なんだ。それくらいは分かる。



いいよ。しつこいもんなら、直接言ってやろうじゃないか。もう私はアンタに興味ないって。そうすれば、今後会う事も無くなるだろう。





「ありがと」


『…私、仕事戻るから』





私はそれだけを告げてブチっと電話を切った。



でも、やっぱり悟が分からない。何をしたいのか、何を考えているのか。何故復縁したいなんて言ったのか。まあ、そんなのどうでもいいか。今日が終われば、一生関わる事はないんだから。






『(もう一生、会う事は…)』






この時、ズキンと胸が痛んだのは



きっと勘違いに決まってる。







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