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『んぅ…』






重たい瞼を開くと目に入ってきたのは見慣れない天井。ふと隣にある窓を見れば、美しい東京の景色が広がっている。私はパチパチと瞬きを繰り返し、ぼんやりした頭ながらも今の状況について暫く考え込んだ。



…此処、私の部屋じゃない。





『じゃあ、どこだよ!』





ガバっと勢いよく起き上がると掛けられていた布団がひらりと落ちた。誰かが介抱してくれたのだろうか。まだ正常に働かない頭を必死に回転させて記憶を辿る。



確か私は硝子とナナミンと飲んでいて、酒に酔った私はその場で寝てしまった。そこまでは覚えている。そして今居る場所はベッドの上。ま、まさか酒に酔った勢いで…!





『服、着てる…』





慌てて下を向いて確認するが、服装は昨日のスーツ姿のまま。どうやら過ちは犯していないらしい。その事実にほっと胸を撫で下ろした。



だが、此処が硝子やナナミンの部屋じゃない事は明らか。何度か家を訪れた事がある。じゃあ、本当に此処はどこだ?





『…ま、いっか』





頭をフル回転したせいか、少し疲れて私は再びベッドに寝転がった。きっと昨日のお酒がまだ抜けていないのだろう。未だに頭がふわふわしている。



そんな時、ふわりと香った匂い。大好きで懐かしい香り。一瞬。ほんの一瞬だけ彼奴の顔が浮かんで。





『はは、そんな訳…』





思わず苦笑が漏れる。だってもう10年も会ってないんだ。困惑に苛まれたそんな時、ガチャと扉の開く音がして。慌てて上半身を起こし、反射的に目を向けると、現れたのは…






「あ、目覚めた?」






聞き覚えのある声に私は大きく目を見開く。ポケットに手を突っ込んで現れたそいつは、昔と変わらずサングラスをかけて口元には弧を描いている。



出来れば、もう会いたくなかった。会わないように術師も辞めて、一切の関係を断った。それなのに──、






『さ、とる……』







何でアンタが此処にいるの。








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ロゼ(プロフ) - マニ。さん» コメントありがとうございます!!以前、少々トラブルがありましてボードは現在していないんです💦お声いただいたのに申し訳ありません🙇ご声援、ありがとうございます^ ^ (1月14日 0時) (レス) id: a0125a0dc0 (このIDを非表示/違反報告)
マニ。(プロフ) - ロゼさん» ✉️。こんにちは!とても面白いです!もしよろしければ一緒にボードで会話しませんか?お返事お待ちしています💝、更新応援してます! (1月9日 18時) (レス) id: b32654e3a5 (このIDを非表示/違反報告)
ロゼ(プロフ) - 眠民。さん» そんな風に言っていただけてほんっとに嬉しいです!夢主ちゃんもごじょるもそんなに褒めていただけるとは…!!ありがとうございます😭更新不定期ではありますが、待っていただけたら嬉しいです♡♡ (12月13日 22時) (レス) id: a0125a0dc0 (このIDを非表示/違反報告)
眠民。 - コメント失礼します!!夢主ちゃんの性格が好き笑 ごじょせん推しというわけでは無いのですがこのごじょせんはマジでカッコいいっす‥。続き待ってます!!1日のご褒美なのでロゼさんの小説‥ (12月13日 16時) (レス) @page12 id: 7e432fa76e (このIDを非表示/違反報告)
ロゼ(プロフ) - ねかあさん» コメントありがとうございます~!!推しの供給ってマジで大切ですよね😖ねかあさんにとって本作が少しでも供給になれていたら嬉しいです(ᵒ̴̶̷‪-ᵒ̴̶̷ ) (11月1日 23時) (レス) id: a0125a0dc0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ロゼ | 作成日時:2023年10月29日 8時

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