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「酔ってるね」
「酔ってますね」
『酔ってらい!すみませーん!ビールもう一杯!』
テーブルの上には空になったグラスがいくつか並んでいる。一体、何杯飲んだだろうか。呂律が回らなくなってきている。
そんな私に付き合ってくれている2人には勿論感謝している。2人は私とは違って術師として働いている。ナナミンは脱サラだけど。先にも言ったように、私と彼らの関係は高専時代からの話になる。生徒数も少ない故、元から交流は深い方だった。
卒業のタイミングで私は術師を止め、会社員として働く事を決めた。この事を伝えたのは硝子とナナミンのみ。つまり、同期の五条悟や夏油傑なんかは私が今どこで何をしているのかなんて知らないのだ。
「もう術師に戻る気は無いの?」
『今のところは無いかな』
硝子にそう問われたが、正直これからも術師に戻る気はない。何故かって?出会いが全く無いからだよ!
『2人は知ってる!?女性の結婚ラッシュは25歳前後って言われてるんだよ!?私もう28なんですけど!!』
そうだ。私の周りが次々と結婚していく現象はきっとこの説が本当だからだ。同僚も後輩も幸せになりやがって…!チクショー!めでたいよ!末永く幸せにな!
『私の諭吉が他人の幸せに吸い取られていく…』
「そういう所ですよ。性格に難ありなんじゃないですか?」
『酷い!ナナミン!』
ごもっともである。だから、ろくな男も捕まえられないんだろうな。嗚呼、運命の相手は一体どこにいるのやら。
「結局、アイツが1番良かったんでしょ」
『…ふん、知らないよあんな奴。自分勝手で、生意気で。悟も一回くらい痛い目にあったらいいんだよ』
「私は何も五条とは言っていないが?」
『なっ…!硝子の意地悪!』
図星を突かれて私の顔はみるみる紅潮していく。そんな私の姿をクスクスと笑う彼女の横でナナミンはやれやれと肩をすくめている様子だ。
久しぶりに口にしたその名前。瞬間、蘇る記憶。
"A"
私を呼ぶ優しい声。無邪気に笑う笑顔。そんな彼が大好きだった。
"ごめん。別れて"
その言葉を聞くまでは。
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ロゼ(プロフ) - マニ。さん» コメントありがとうございます!!以前、少々トラブルがありましてボードは現在していないんです💦お声いただいたのに申し訳ありません🙇ご声援、ありがとうございます^ ^ (1月14日 0時) (レス) id: a0125a0dc0 (このIDを非表示/違反報告)
マニ。(プロフ) - ロゼさん» ✉️。こんにちは!とても面白いです!もしよろしければ一緒にボードで会話しませんか?お返事お待ちしています💝、更新応援してます! (1月9日 18時) (レス) id: b32654e3a5 (このIDを非表示/違反報告)
ロゼ(プロフ) - 眠民。さん» そんな風に言っていただけてほんっとに嬉しいです!夢主ちゃんもごじょるもそんなに褒めていただけるとは…!!ありがとうございます😭更新不定期ではありますが、待っていただけたら嬉しいです♡♡ (12月13日 22時) (レス) id: a0125a0dc0 (このIDを非表示/違反報告)
眠民。 - コメント失礼します!!夢主ちゃんの性格が好き笑 ごじょせん推しというわけでは無いのですがこのごじょせんはマジでカッコいいっす‥。続き待ってます!!1日のご褒美なのでロゼさんの小説‥ (12月13日 16時) (レス) @page12 id: 7e432fa76e (このIDを非表示/違反報告)
ロゼ(プロフ) - ねかあさん» コメントありがとうございます~!!推しの供給ってマジで大切ですよね😖ねかあさんにとって本作が少しでも供給になれていたら嬉しいです(ᵒ̴̶̷-ᵒ̴̶̷ ) (11月1日 23時) (レス) id: a0125a0dc0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ロゼ | 作成日時:2023年10月29日 8時