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何やってんだろう私。元彼の家に泊まるなんて。ましてや、お風呂まで貸してもらってしまった。まあ、「今日1日は拒否権ないから」とほとんど強引だったけれど。
勿論パジャマなんてある訳ないから、服は悟に借りた…というより押し付けられたスウェットを着る。一回りも大きい服は袖が長くて腕も足も捲らないと動きにくい。ドライヤーまで貸してもらうのは少し気が引けたので濡れたまま洗面所を後にした。
『…お風呂、ありがと』
「……あ、うん」
少し間を空けて返事をした悟はまだ起きていたようで、目をぱちくりさせて此方を見つめている。こんな姿を見せたのは、10年ぶり。なんとなく気まずい雰囲気が流れたのには気付かないフリをしておく。
『あの、悟はベッドで寝てね。疲れてるだろうから。私はその辺で適当に寝させてもらうね』
「ダメでしょ。Aはベッドで寝て」
『いやいや、悪いよ。悟が寝てよ』
「何言ってるの。僕は元々ベッドで寝るつもりだけど」
『……ん?』
何言ってるか分からないんですけど。日本語間違ってない?今「A "は" 」って言ったよね?私の理解力が足りてないのかな。だって、悟が言っていることはつまり──
「一緒に寝るなんて久しぶりだね」
『なっ…』
嫌な予感が当たってしまった。血の気が引く感覚に陥る。何故目の前の男はこんなにもニコニコと満足げに笑っているんだ。
『ちなみに拒否権は…』
「あるわけないでしょ」
冷たく言い放されてしまった。仕方ない。幸いにも悟のベッドはキングサイズ。離れて寝てしまえば、問題ないだろう。…多分。
『…変な事したらぶん殴るから』
「なんもしないって。ほら、早く行こ」
ヘラヘラと笑っている態度を見るとあまり信用ならないが、もう夜も遅い。何も起こりませんようにと心の中で祈りながら、悟の背中を追いかけて寝室へと向かった。
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ロゼ(プロフ) - マニ。さん» コメントありがとうございます!!以前、少々トラブルがありましてボードは現在していないんです💦お声いただいたのに申し訳ありません🙇ご声援、ありがとうございます^ ^ (1月14日 0時) (レス) id: a0125a0dc0 (このIDを非表示/違反報告)
マニ。(プロフ) - ロゼさん» ✉️。こんにちは!とても面白いです!もしよろしければ一緒にボードで会話しませんか?お返事お待ちしています💝、更新応援してます! (1月9日 18時) (レス) id: b32654e3a5 (このIDを非表示/違反報告)
ロゼ(プロフ) - 眠民。さん» そんな風に言っていただけてほんっとに嬉しいです!夢主ちゃんもごじょるもそんなに褒めていただけるとは…!!ありがとうございます😭更新不定期ではありますが、待っていただけたら嬉しいです♡♡ (12月13日 22時) (レス) id: a0125a0dc0 (このIDを非表示/違反報告)
眠民。 - コメント失礼します!!夢主ちゃんの性格が好き笑 ごじょせん推しというわけでは無いのですがこのごじょせんはマジでカッコいいっす‥。続き待ってます!!1日のご褒美なのでロゼさんの小説‥ (12月13日 16時) (レス) @page12 id: 7e432fa76e (このIDを非表示/違反報告)
ロゼ(プロフ) - ねかあさん» コメントありがとうございます~!!推しの供給ってマジで大切ですよね😖ねかあさんにとって本作が少しでも供給になれていたら嬉しいです(ᵒ̴̶̷-ᵒ̴̶̷ ) (11月1日 23時) (レス) id: a0125a0dc0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ロゼ | 作成日時:2023年10月29日 8時