【呪術廻戦】復縁なんてお断り

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「──で、付き合ったと？」


『そう。だから、どっちから告白したかって言われると難しいかも』


「ふっ、君ららしいな」





遠い記憶。でも、鮮明に覚えている。表情も声も熱も。その時、確かに感じたのは──





『嬉しかったなぁ…』





きっと忘れる事はないだろう。なんてたって、初めての恋人で初恋だったから。でも、あんなに嬉しかったのはきっと悟だったからだと思う。





「そんな幸せそうな顔されると、惚気話でも聞かされてる気分だよ」


『もうとっくに別れてますぅ〜』


「でも復縁しようって言われたんだろう？しないの？」


『…どうだろうね』





まるで他人事みたいだ。復縁すれば、きっと悟は私を沢山愛してくれる。お望み通り幸せになれる。ちゃんと分かってる。だから惚れさせてみろ、なんて大口叩いたけれど、正直私は悟とやり直せる自信がない。





『私さ、多分怖いんだよね。また振られるかもって』





あの日みたいにまた突き放されるのが怖いのだ。またあんな思いをしたくない。その気持ちがどうしても強く、勝ってしまう。深く抉られた傷って癒えないんだよ。



まさか、こんなに臆病になるなんて。





『はは、らしくないね』


「…」





何か物言いだけな表情な硝子を横目に、私は一気にビールを飲み干した。それから、自分の気持ちから逃げるように次から次へとビールを飲み干した私は酔いが勢いよく回って。





『ぜぇったい幸せになってやるんだからぁ……』





羅列の回っていないその言葉を最後に、私は瞼を閉じて眠りこけてしまった。






「…また？」


「まただ。頼んだぞ」






以前と同じように迎えにきてくれた彼と硝子の会話が目の前で繰り広げられていた事なんて知らずに。








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