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時は2007年。
事の発端は、ほんの少しの好奇心。授業が終わって、丁度隣にいた悟がガラケーの画面を見て「げぇ、また見合いかよ」と顔を引き攣らせながら愚痴を溢していた。どうやら見合いは好まないらしい。
とは言え、悟は五条家のお坊ちゃん且つ次期当主。見合いがあるって事は、きっと今が大事な時期なんだろう。平凡な私とは大違いの世界に居る彼の生活はさぞかし大変なんだろうな、と少し同情の目を向け、そんな姿を見かねた私は彼に問いかけた。
『悟は好きな人いないの?』
「なんで?」
『なんでって。自分で好きな人さえ見つければ見合いなんて断れるでしょ』
悟の権力を持ってしてなら。おまけに、モデルばりのスタイルに美しい顔立ち。悟が望めば、相手などすぐ見つかるだろうに。
『でも、その歳で結婚とか見据えるのは難しいよね…』
この先一生を添い遂げる人を18歳で見つけるだなんて流石に無茶だ。だが、理想とする人物像さえ想像できれば、見合いによる負担も少しは減るだろう。
『悟はどんな人と一緒にいたい?』
「ん〜、一緒に居たいなって思った人?」
『そのままじゃねーか』
抽象的すぎる。最強には理想ってもんが無いのか。いや、最強じゃなくても悟には理想なんて甘ったるいものは無さそうだ。
「じゃあ、オマエはどんな人がいい」
『私は…、私を幸せに愛してくれる人がいい』
「金持ちとかイケメンとかじゃないの?」
『顔や家柄なんてどうでもいいのよ。その人が私を幸せに愛してくれるなら、私もその人を幸せに愛する。ただそれだけだよ』
「…そ」
あまり興味なさそうにそれだけを言い放って、顔を背ける。お子ちゃまな悟には理解が足らなかったかな、なんて少し弄ってやろうと思ったけれど、そっぽを向いた彼の耳が赤くて。変に動揺した私はそのまま口を閉ざした。
それから数ヶ月が経って、彼の中で "好き" という感情が解けたのか。
「A」
『ん?』
2人で任務を終えたその帰り道。
「付き合おっか」
私は悟に突然告白されたのだ。
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ロゼ(プロフ) - マニ。さん» コメントありがとうございます!!以前、少々トラブルがありましてボードは現在していないんです💦お声いただいたのに申し訳ありません🙇ご声援、ありがとうございます^ ^ (1月14日 0時) (レス) id: a0125a0dc0 (このIDを非表示/違反報告)
マニ。(プロフ) - ロゼさん» ✉️。こんにちは!とても面白いです!もしよろしければ一緒にボードで会話しませんか?お返事お待ちしています💝、更新応援してます! (1月9日 18時) (レス) id: b32654e3a5 (このIDを非表示/違反報告)
ロゼ(プロフ) - 眠民。さん» そんな風に言っていただけてほんっとに嬉しいです!夢主ちゃんもごじょるもそんなに褒めていただけるとは…!!ありがとうございます😭更新不定期ではありますが、待っていただけたら嬉しいです♡♡ (12月13日 22時) (レス) id: a0125a0dc0 (このIDを非表示/違反報告)
眠民。 - コメント失礼します!!夢主ちゃんの性格が好き笑 ごじょせん推しというわけでは無いのですがこのごじょせんはマジでカッコいいっす‥。続き待ってます!!1日のご褒美なのでロゼさんの小説‥ (12月13日 16時) (レス) @page12 id: 7e432fa76e (このIDを非表示/違反報告)
ロゼ(プロフ) - ねかあさん» コメントありがとうございます~!!推しの供給ってマジで大切ですよね😖ねかあさんにとって本作が少しでも供給になれていたら嬉しいです(ᵒ̴̶̷-ᵒ̴̶̷ ) (11月1日 23時) (レス) id: a0125a0dc0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ロゼ | 作成日時:2023年10月29日 8時