【呪術廻戦】復縁なんてお断り

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"女の恋愛は上書き保存" なんてよく言うものだ。






何度新しい恋を重ねても、どれだけ年月を重ねても貴方といた時間を忘れる事はない。



高校3年生、初めて彼氏ができた。初恋だった。生意気で、口悪い奴だったけれど、凄く強くて、私を守ってくれるそんな彼に惹かれていた。だが、ある日突然そんな大好きだった彼氏に振られたのだ。



あれから10年。私は未だにまともな恋愛をできないでいる。





『お疲れ様でした』





少ない社員に頭を下げて社員証を首から外す。



社会人6年目。28歳。独身だが、結婚願望はあり。そして、最近のマイブームは自分磨き。ネイルしたり、運動したり、エステに行ったり。何故かって？そんなの、いい男捕まえる為に決まってるでしょう。最近、私の周りでは結婚ラッシュが絶えない。今日だって、同僚から結婚報告を受けた。





『…ハァ、マジで誰か私と結婚してくれないかな』





現在、とある居酒屋。右手にはビール。そして、向かいには





「もう無理なんじゃない？」


「家入さん。もう少し慰めてあげましょう」





親友の硝子と後輩のナナミン。高専時代を共にしたこの2人とは今でも連絡を取っていて、こうやって時々飲みに行く仲だったりする。






「だって、Aの男運の悪さ知ってる？この前だって六股かけられてたんだよ。流石に引く」


「……ああ、確かそうでしたね」


『何よ、その冷ややかな目は』






両者共にじとっとした視線を此方に向け、ナナミンからは同情の念が込められている気がした。



硝子の言う通り、私はつくづく男運が悪い。浮気性、詐欺師、重度のギャンブラー等々。どいつもこいつもクズばっかりだった。楽しくて、嬉しかった思い出なんて一つもない。



きっと、1番楽しくて幸せだったのは──






『…なんで振ったんだよ、アイツ』






紛れもなく、彼1人だけだ。








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