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緊迫した空気が流れる中、
一向に土方先輩は口を開かない。
『えっと…、土方先輩?』
と上を向き彼の顔を見ると、鋭い瞳と目が合った。
目が合った瞬間、なんだか恥ずかしくなって目を逸らす。
「……俺ァ」
『えっ』
何を言い出すのか、と視線を戻すと再び目が合う。
前髪越しに薄く開いた彼の瞳が妙に熱くて、私の体温を上昇させる。
ああ、なんでそんな目で見るの?
「……俺ァ、こいつのことが」
『ま、まままままって』
なに?マジで告白?
もしかしてのもしかてしてがあり得る…とか?
いやいや、早まるな上白石A。
落ち着け、落ち着くんだ私の心臓よ。私はただのモブ!モブなんだよ!なんで鳴り止まないんだあああ!
あ、やばい。頭クラクラして。
もうダメだ…
『いやああああ!殺されるゥゥ!』
「何言ってんの、そんなピンピンしてたら大丈夫よ」
すぐ隣から聞こえてきたきた声に顔を向ける。
『あれ、麻衣…』
「なにやってんのよ、丁度よかったのに!!」
「もー!」と私に突き始める。
ふと周りを見回すと薬品がずらり。
あ、ここ保健室だ、と理解する。
時計の針も5時を指していた。
『…麻衣さん、私もしかして倒れた?』
「倒れたっていうか土方先輩に抱えられたまま顔から煙出して気絶してた」
『うわ、まじか…』
なるほど、先程の記憶が鮮明によみがえってきた。
一人で勝手に盛り上がって、一人で勝手に死んだわけだ。やだ、めっちゃ恥ずかしい奴じゃん!!
土方先輩には申し訳ないことしたな。
あとで謝っとこ。
『ごめんね、麻衣。
こんな時間まで付き添ってくれて』
「別にいいわよ、気にしないで。先生が起きたら帰っていいってよ」
『うん、分かった有難う』
麻衣がいい人すぎて涙が出そう。
こんな友達初めてだ。
「じゃ私はそろそろ行くから」
『うん、ありがとうね』
「あ、あとお礼言っときなよ。
ここまで連れてきてくれた王子様に」
そう言い放し部屋を後にした。
おそらく土方先輩のことだろう。
『ん?結局どうなったの?』
一番大事なこと聞くの忘れてた。
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Hi(プロフ) - 逆ハーあんまりみないんですけど最高ですね;꒳; 続きたのしみにしてます、、!! (3月17日 0時) (レス) @page39 id: c9fcf96ef3 (このIDを非表示/違反報告)
春風 - 銀魂後祭り行かれたんですか!!私はまだ学生で行けなかったのですが、いつか行ってみたいです!☺️☺️ (2023年3月27日 23時) (レス) @page38 id: c205929152 (このIDを非表示/違反報告)
ロゼ(プロフ) - 夜優さん» めーっちゃ楽しみです!!一緒に続報待ちましょ〜💕 (2023年3月24日 1時) (レス) id: a0125a0dc0 (このIDを非表示/違反報告)
夜優 - 銀八先生楽しみですよね! (2023年3月22日 19時) (レス) id: 8e6903f587 (このIDを非表示/違反報告)
ロゼ(プロフ) - #観音坂ゆるさん» いやああ!是非是非!!!こちらこそお願いいたしますっ! (2021年3月11日 17時) (レス) id: a0125a0dc0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ロゼ | 作成日時:2020年5月13日 22時