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『ふぅ、』
バクバクと鳴り止まない心臓を落ち着かせるように、
ザワザワとしている教室の前で小さく溜息をつく。
元令嬢とはいえ、人前に出ることに慣れている訳ではない。普通に恥ずかしい。
私は覚悟を決して扉を開けた。
その瞬間、教室内は一気に静まり返った。
顔が熱くなりながらも担任の隣に立つ。
「おお、来たな。じゃあ、早速自己紹介頼む」
『は、はい。初めまして、上白石Aです。
よろしくお願いします』
「えー、男かと思ったのにー」
「おお、あの子可愛くね!?」
「ていうか、この時期に転校生…?」
と、色々な意見があちこちから聞こえてくる。
みんなの視線が一気に私に向き、恥ずかしくなって下を俯く。
どう輪に入ろうか考えながら先生の話を聞く。
「じゃあ、上白石はあそこに座ってくれ」
『はい』
そう指差す方向を見ると、前の席には栗色の髪をした美少年と後ろの席には赤髪をしたアホ毛の美少年がいた。
意を決してその席へと足を進めた。
『よ、よろしく』
「…ああ」
とりあえず前の席の栗毛くんに挨拶をして着席する。
すると、突然後ろから髪の毛を引っ張られ慌てて振り向くとニコッと笑みを浮かべたアホ毛くんが。
「ねえ、アンタ強いの?」
『…は?』
「だから強いのかって聞いてんの」
『いや、ちょっと意味が分からないんですけど』
え、なに?バカなの?
「あー、こいつに耳傾けない方がいいぜィ」
『え?』
「こいつ、人と殺り合うのが趣味なんでィ」
『へ、へえ…』
若干、引きながら答えた私に振り向いてきた栗毛の美少年くん。
顔整いすぎやしねえか?
「お前、名前なんて言ったっけ?」
『ああ、上白石』
「違ェよ、下の名前」
『あ、A』
「ふーん」と言いながら私をジロジロ見る彼。
そしてもう一度私と目を合わせる。
「俺ァ沖田総悟ってんだ」
『よろしく、沖田くん』
「そんな呼び方すんじゃねェよ」
『あ、じゃあ…沖田で、』
すると突然、肩を後ろからバシバシと叩かれる。
普通に痛いんだけど。力加減どうなってんのこいつ。
「ねえねえ。俺、神威!」
『…よろしく、神威』
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Hi(プロフ) - 逆ハーあんまりみないんですけど最高ですね;꒳; 続きたのしみにしてます、、!! (3月17日 0時) (レス) @page39 id: c9fcf96ef3 (このIDを非表示/違反報告)
春風 - 銀魂後祭り行かれたんですか!!私はまだ学生で行けなかったのですが、いつか行ってみたいです!☺️☺️ (2023年3月27日 23時) (レス) @page38 id: c205929152 (このIDを非表示/違反報告)
ロゼ(プロフ) - 夜優さん» めーっちゃ楽しみです!!一緒に続報待ちましょ〜💕 (2023年3月24日 1時) (レス) id: a0125a0dc0 (このIDを非表示/違反報告)
夜優 - 銀八先生楽しみですよね! (2023年3月22日 19時) (レス) id: 8e6903f587 (このIDを非表示/違反報告)
ロゼ(プロフ) - #観音坂ゆるさん» いやああ!是非是非!!!こちらこそお願いいたしますっ! (2021年3月11日 17時) (レス) id: a0125a0dc0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ロゼ | 作成日時:2020年5月13日 22時