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「遅い、何話してたんだよ」
『別になんだっていいでしょ?』
まだ何か聞きたそうだったが、私の態度で察したのかそれ以上聞いてくることはなかった。
目の前にドスンとあぐらをかいて座る五条はどこか不機嫌だ。
『で、何の相談?』
「あ、そうそう。デートってどこが良いと思う?」
自分から聞いたくせに悲しくなる。
そんなの自分で考えろよ、
って言いたいところだがこれも友の務め。
『無難に遊園地とか水族館とか?』
「女ってやつはそんなのが良いわけ?」
『良いの。好きな人ならどこに連れてってくれても嬉しいでしょ』
「えー、あの人俺のこと好きかなぁ…」
そう言って頭を掻いている五条はやっぱり頬が赤くて恋をしている男の子そのものだった。
視界に入れるのも辛くなってきたな…、
『…その好きな人って、誰なの?』
「あー、助けてあげた子。丁度任務中だったかな。助けたお礼にご飯奢ってもらってさ。それだけなのに、なんか頭から離れないんだよねぇ。一目惚れ的な?」
『……へぇ』
「いやー美人だったわ」と惚気ているコイツをぶん殴ってやりたい。こっちの気も知らないで。
あの五条が惚れただなんて、それはそれは美人な人なんだろうな。
「そういうお前はいねぇのかよ」
『えっ』
「お、その反応はいるんだろ」
何でこういう時に限って勘づくんだよ。
『好きな人…、いないよ』
なんとか平然を装って答える。
「ふーん。
もしかしたらお前一生彼氏できねぇかもな」
『はは、そうかもね……』
頑張って笑顔で返す。
こんなの何かの冗談だと信じたい。
『っ、ほらもういいでしょ!ここからは私の時間だから。ほらほら』
「ちょ、押すなって!おい!」
強制的に五条を退室させ、すぐさまドアを閉める。
だって、
『…っ、やっぱり嫌だよ』
今にも涙が溢れそうだったから。
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皐摩(プロフ) - 胸がギュンギュンしました… (2022年2月15日 19時) (レス) @page50 id: c69f5fedc2 (このIDを非表示/違反報告)
もっち - めっちゃ面白いです。 (2022年1月15日 15時) (レス) @page47 id: ea5533ef50 (このIDを非表示/違反報告)
胡蝶 恵 - 目頭が熱盛(?) (2021年10月12日 20時) (レス) @page13 id: f5505c766c (このIDを非表示/違反報告)
ロゼ(プロフ) - 莉亜さん» ご声援ありがとうございます!夏油ルート検討してみようと思います!! (2021年9月29日 2時) (レス) @page41 id: a0125a0dc0 (このIDを非表示/違反報告)
怜 - えっ好き() (2021年9月23日 22時) (レス) @page38 id: 160a7ef55b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ロゼ | 作成日時:2021年2月20日 21時