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side 顕嵐
別行動になって、Aが他の店に入ったことを確認して今出てきた店に入り直す。
これだろ。欲しかったの。顔見てればわかんだけど。
卒業祝い、ね。
女々しいかなって思いながらも、このワンピースに願う。俺の事意識しろって。
ちょっとぶらっと他の店も見て、特に欲しいものもないし、早めに合流場所に行く。
今日くらい、謙ちゃんより俺で頭いっぱいに出来たかな。
待ってる時間、1年前の事を思い出す。
その日はちょっと具合悪くてイライラしてて…
〜1年前〜
レッスン帰りで街を歩いていた。
熱っぽくてレッスンにもなかなか集中出来なくてイライラしてた。
はぁ。具合わりぃ。帰って寝よ。そう思っていた。
ドンッ
顕「っ、」
「いってぇー。おい兄ちゃん前見て歩けよなぁ?」
顕「…は?」
「あぁ?おめーがぶつかってきたんだろぉがよぉ」
顕「いやそっちだろ」
「あぁん?やんのかぁ?」
『あの、すみません!!大丈夫でしたか?』
誰、こいつ
「なんだぁ?ねぇちゃん」
『私の兄なんです。すみません、ぶつかっちゃったみたいで。お怪我ありませんか?』
なんかじじいと話し始めたけど何こいつ。制服…JKか。とか思ってると笑顔になったじじいが帰ってった。すげ。
顕「…」
じじいを少し見送ってから俺を向いたそいつはこう言った。
『大変でしたね。帰ってくれてよかったですね』ニコッ
…かわいい、
『あの、兄とか言っちゃってごめんなさい。大丈夫ですか?具合、悪いんですか?』
顕「え?」
『少しフラついてたようなので、』
顕「…ちょっと熱あるだけ」
『そうですか、、ひとりで大丈夫ですか?タクシーまでご一緒しましょうか?』
顕「あ、いや大丈夫」
『そうですか、お大事になさってくださいね。それでは、失礼します』
顕「あっ…」
ペコッと頭を下げてすぐに人混みに溶けてった。
お礼、言えてない。
また会えるかな。
またあの笑顔見れるかな。
名前、なんていうんだろ。
この時はまさか、次会うのが謙ちゃんの隣にいるアイツとは思わなかった。
〜〜〜
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はるあい(プロフ) - 続き待ってます (2019年4月12日 16時) (レス) id: 4f962c0dc1 (このIDを非表示/違反報告)
めめ - 面白いし、きゅんきゅんするし、感動しました! 更新頑張ってください (2019年3月30日 10時) (レス) id: bf1361104c (このIDを非表示/違反報告)
よしす(プロフ) - ずっごく面白いです!更新楽しみにしてます! (2019年3月7日 0時) (レス) id: 63b7326a5f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆなたろ | 作成日時:2019年2月8日 4時