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カインと並んで外を歩きながら私は空を見上げた
A「やっぱり大きいですね……この世界の月は」
カイン「昨日襲来したばかりだからな」
A「襲来?」
そういえばこの世界では月が敵なのか……
厄災について記憶が曖昧だからカインの話をよく聞いておかないとな
カイン「あれが<大いなる厄災>だ。年に一度襲来してこの世界を滅ぼそうとする」
カイン「俺たちが戦っている相手だ」
A「毎年月と戦う?」
カイン「そうだ。襲来する月を迎撃して空に還すのが賢者の魔法使いの役目なんだ」
カイン「一度でけりがつけば楽なんだけどな。でも世の中にある厄介事なんて大抵そんなもんさ」
カイン「片付けてはまた問題事が起き、繰り返し繰り返し何とかする。辛抱強く続けていくしかないんだ」
物語のような綺麗な終わり方はないんだな……
でも私は今それを望んでいる
賢者の魔法使いたちが幸せに暮らしていける未来を……
カイン「って割りきってたんだけどな。今年の<大いなる厄災>はおかしかったんだ」
A「というと?」
カイン「ありえないくらい強力だった。歴戦の魔法使いたちが叶わない程の力で接近してきてな」
カイン「おかげで20人いた仲間が半分になっちまった、」
目をふせてカインは黙り込んだ
カイン「アーサー殿下に会いたいんだったよな!アーサー殿下は王都のグランヴェル城にいらっしゃる。あんたをつれていくことも出来るだろう」
カイン「だが、王都の復旧作業が落ち着くまで待ってもらえないだろうか?」
A「わかりました。大変なときにわがままを言ってすみません」
カイン「何を言っている。あんたが大変なときにこっちがわがままを言っているんだ」
カイン「できればこの世界や俺たちのことを気に入って欲しかったが仕方ない。住み慣れた家にはかなわないもんな」
A「ここにいる間だけでも私に出来ることならしますよ。掃除でも洗濯でも」
カイン「そんなのは俺たちがやる。新しい魔法使いを召喚して欲しいんだ」
A「召喚?」
カイン「ああ…賢者の魔法使いに欠員が出たときには賢者にしか召喚できないんだ。良ければあんたに頼めるか?」
まずい飲み物は飲みたくないけど
A「私に出来ることなら」
そう言って私はカインに微笑んだ
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しらたま(プロフ) - 空乃さん» コメントありがとうございます!自分でも文才のない作品だと思ってますがそう言ってもらえて嬉しいです!! (2月4日 16時) (レス) id: 6b12ab85f0 (このIDを非表示/違反報告)
空乃(プロフ) - コメント失礼します!まほやくにどハマりしてる私にとって最高の作品です!夢中で一気読みしてしまいました! (2月4日 15時) (レス) id: 986b240cdf (このIDを非表示/違反報告)
しらたま(プロフ) - 優愛さん» コメントありがとうございます!年齢設定はお酒飲めなくて大人っぽい年齢がいいなと思って作りました。面白いと言って頂いてとても嬉しいです!今週中に続き更新しますね (6月9日 7時) (レス) id: 6b12ab85f0 (このIDを非表示/違反報告)
優愛 - とても面白いです!正直夢主の年齢は20代の方がいいなと思いましたが、面白くてあっという間に読み切りました。続きを楽しみにしていますね! (6月8日 20時) (レス) id: ec33558521 (このIDを非表示/違反報告)
しらたま(プロフ) - コメントありがとうございます!ドキドキした報告嬉しいです!更新頑張りますね (5月22日 18時) (レス) id: 6b12ab85f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しらたま | 作成日時:2023年5月1日 6時