誤解 ページ4
『あの、ちょっと待ってもらっていいですか…』
おかしい。え?うん?ここは、ホテルじゃない?急に情報過多が起きている。脳からぷしゅー、と音が出てしまいそう。それに五条さん、(多分)怖い。
状況がいつまでも飲み込めない私に、なにか察したのか、五条さん?が殺気を消してくれた。
「お前、一般人?もしかして」
『うーん……はい。ここはホテルだと思って入ったんですけど。違うんですか』
「ここは廃墟。そんで俺が呪霊祓いに来たって訳。」
私がほんとにただの一般人だと分かったのか、彼は少し面倒くさそうにまくしたてた。まだ少し混乱しているけど、なんとなく分かった。ホテルだと思ったのも呪霊のせいだろう。知らんけど。
『分かりました。えっと、ありがとう、ございました?』
とりあえず早く休みたい私は、理解するのを辞めて、そそくさと退散しようとする。すると、彼は腕を掴んで止めてきた。いや、痛い痛い。
「いや待って、お前、見えるでしょ。なんなら術式も出てる。」
何者?術士じゃ無さそうだけど。と呟く彼。これは、言わないと離してくれないやつかなぁ。疲れてんだけど……
『話すと長くなるので、それでは!!』
そう言い捨ててダッシュで走り去る。後ろから彼の怒鳴り声が聞こえてきた気がするけど、いちいち構ってられない。私今日何キロ走るの…?
廃墟から飛び出し、近くの小さいホテルにチェックインをする。
あまりいい所では無いから、少し、いやかなり汚い部屋だったけど、まぁ良しとしよう。実家よりマシ。そう思い込もう。
フワフワの疲れきった頭では何も考えられなくて、布団にダイブして、私は深い眠りに着いた。遠くから聞こえてくる、ドアを叩く音に気づかないくらいには、深い深い、眠りに。
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こっちもちょくちょく更新していきます!!よろです✌🏻
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作者名:花音 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=yuna23567922
作成日時:2024年1月31日 23時