咲かない花もあるよ【ハンジ・ゾエ】2

竜胆 ページ37

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昨日ハンジさんの話を聞いていたつもりが
いつのまにか寝てしまい次に目覚めた時には朝だった




＿＿被検体が2体殺された＿＿



エレンに叩き起された私はそんな事を言われ
あまり訳も分からないまま馬に乗った






私達が着いた頃には2体の巨人は蒸発していた




「ウソだろ…兵士がやったのか？」

「あぁ 犯人はまだ見つかってないって
夜明け前に2体同時にやられたらしい
見張りが気づいた時には立体機動で遥か遠くだ」





ハンジさんは頭をかきむしりすべての感情を
自分自身から追い出すように泣き叫んでいた

私は自分の驚きをまず静めようと、
そのつむじをじっと見ていた






「2人以上の計画的作戦ってワケか」

「見ろよハンジ分隊長がご乱心だ」




『は…ハンジさん ……』




泣いているハンジさんの姿を見たら
なぜか胸が苦しくなって熱い涙が出てきた





「なぜ君も泣いているんだ！？」

『わからないです……』



近くにいたモブリットさんは驚きながらそう言った






すると急に後ろから肩をスッと掴まれ驚きの声を
漏らしてしまった



誰？誰なんだコイツ？ 距離近けぇだろ誰なんだよ！！






「すまない 驚かせるつもりはなかった」



私の肩を掴んでいるのはエルヴィン団長だったようで
心の中でどうか許してください。と謝っておいた






「ナナ 君には何が見える？ 敵はなんだと思う？」



『巨人への憎しみに駆られた突発的な犯行ではなく
逃げる段取りも考えられた計画的な犯行だった

巨人と言う目先の敵以外にも 壁の中でエレンの存在
調査兵団を潰そうとしている輩がいる可能性がある

敵は 人 でしょうか…』



「これは驚いたな ハンジの目は間違ってなかったようだ」





フッと笑ったエルヴィン団長はそのまま去っていき
エレンにも同じ質問をしていたが
エレンは質問の意図が分からないのか何も答えなかった





そんな事より今はハンジさんが大事だ。



未だに泣いているハンジさんに近ずき肩を抱えて
兵舎にある執務室を目指して歩く


大丈夫 一昨日行った場所だから迷わないはずだ




『行きましょうハンジさん…』


「ソニー…ビーン…私がずっと傍にいてやればぁ…」


『その、私がいくらでも巨人を捕まえてくるので
どうか泣かないでください…ぅぅぅ 』


「なんでナナが泣いているの…ぅぅ… 」





そのまま2人で泣きながら執務室まで歩いた。


















竜胆.＿＿＿＿＿＿ 悲しんでいる貴方を愛する

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