検索窓
今日:43 hit、昨日:8 hit、合計:114,543 hit

#Episode01 ページ3

.





_ _ _ ____学校帰り、午後4時頃。



駅前のデパートにちょっとした用があり、多くの人で溢れかえっている大通りを、一人仕方なく歩いていた。

人混みが苦手な私は、滅多にこの通りは歩かない。

多くの人が交差する横断歩道を渡っていると、この日もなんだか気分が悪くなってきて、思わず斜め下を向いて歩いていた。




「…………ぁ、ごめんなさいっ」




そして、そのせいで肩がぶつかってしまったのが、
元彼の恭平だった。______ _ _




「お前、こんなとこで何してるん?」

『ちょっと、……買い物とか。』

「………へぇー。」




………懐かしい。

そして、確かこれが原因だった気がしなくもない。




「…………恭平は?……その、学校終わりとか、よくここ通ったりするの?」

『俺は〜、まぁ、………たまに?』




この、一方的な会話とか、私に興味がなさそうな態度とか。

最初はそこが格好いいと思って付き合ったのに、段々それが引き金に苦しくなったのを覚えている。

それで結局、私から別れを告げた。

確かそんな、終わり方だった。




「そうなんだ…。」




でも、もうそんなこと、恭平は多分覚えてないよね。

私の知らない制服を着た恭平は、ドラマに出てくるようなイケイケな高校生といった感じで、

…なんていうか、女の子からすごくモテそうで。




「ていうか、変わってないね。恭平。」




でも、そこも"変わってない"。

そこも含めて、あの頃とまったく同じだ。




「ほら、あの頃もなんか、1人だけ別世界みたいな感じでさ、」

『…………』

「いろんな女の子から、モテまくってたもんね」




私と恭平は、そもそも釣り合わなかったんだと思う。

その証拠に恭平は、私と付き合っていることもみんなに隠してたし。

それをいいことに、バレンタインデーなんかチョコレートを40個ぐらい貰っちゃってさ、




『せやな。俺モテるし。…変わってへんで。なーんも。』




……なんで私なんかと付き合ってたんだろう。

それがずっと不思議だった。

#Episode02→←prince Purple ____________



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (145 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
383人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

るる - ちょ!ニヤニヤが止まらないです!こんな作品求めてた!最高です! (5月27日 20時) (レス) @page27 id: 88a7fca5d2 (このIDを非表示/違反報告)
27(プロフ) - めがねさん» コメント有難うございます!短編集ではありますが、全体として一体感が出るように、話の繋ぎには工夫したので、気づいていただけてとても嬉しいです^^今後とも宜しくお願いします! (2022年8月15日 2時) (レス) id: 095c327c42 (このIDを非表示/違反報告)
めがね - 話の始まり方、1話1話の繋ぎにちょっとした遊びがあってとても面白いです。 (2022年8月15日 1時) (レス) @page6 id: d88aa2443e (このIDを非表示/違反報告)
檸檬の妹(プロフ) - 27さん» 返信ありがとうございます!絶対に見ます! (2022年8月9日 8時) (レス) id: 1fb600e1a2 (このIDを非表示/違反報告)
27(プロフ) - 檸檬の妹さん» コメントありがとうございます!読んでいただけるだけでも有り難いのに、感想を頂けてとても嬉しいです(;_;)更新したので、引き続き楽しんでいただければ幸いです! (2022年8月9日 5時) (レス) id: 095c327c42 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:27 | 作成日時:2022年8月6日 15時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。