めげないロミオくん (ページ30)

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『おったおった』

このまま1人で弁当を食べようとしていたとき、

左手にコンビニの袋を持った道枝くんが不意に現れる。

『めっちゃ探してんで』

と、当たり前のように隣に座ってくるが、

私は当然ながら呆然としていた。

『長尾が生徒会のなんかで呼ばれてさ、』

"俺、普通に置いてかれてん"と、笑う彼。

きっと一緒に食べる人なんて沢山いるはずなのに

「………」

なんで私？

やっぱり彼の考えていることがさっぱり分からなかった。

『いつもここで食べてんの？』

と、コンビニ袋から弁当を出す。

「…うん」

細身なのに結構大きな弁当を食べるんだな。

『へー、いただきます！』

そんなことを思いながら、私もご飯を口に運ぶ。

道枝くんはそれを見て、

嬉しそうにはにかみながら自分もご飯を口に放り込んだ。

『うまっ！長尾と食うよりうまい！』

軽く冗談を言いながら、

口いっぱいに頬張る道枝くんは、

なんだか頬袋に餌を詰め込むハムスターみたい。