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#25 ページ25
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ﾎﾟﾀｯ
堪えていた涙がブレザーに落ちる。
紺色の布に黒く滲んで、
だんだんと心が落ち着いていくのがわかった。
「……」
別に、こんなの慣れてるはずなのにな。
平常心を装ってるつもりでも、涙は自然に出るものだ。
「………」
こわい、寂しい。
慣れない環境と孤独感に追い込まれて、
私の心はボロボロになっていた。
『橘さん！』
「…………ｯ」
そんな時に、また突然に声がかかって足が止まる。
私が辛い時、救世主のように現れるのは、
「道枝くん…」
_______さっきも今も、また彼だ。
声のある方に振り返ってみると、
息を荒げて駆け寄る道枝くんの姿が見える。
本当は彼に縋りつきたいぐらいだった。
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作者名：27 | 作成日時：2022年1月1日 6時
