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#12 ページ12
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謙「ちょっとみっちー、置いてかんといてよ」
" みっちー " と呼ばれているということは、
きっと道枝くん。
なぜだか少し身構えてしまう自分がいた。
だって、あの見るからに王子様のような人が
私の隣に来るなんて、
…………改めて気が引ける。
『はぁ、疲れたー』
教室に入って早々、道枝くんがそう呟くのを
耳を澄ませて聞いていた。
「……………。」
私から誰かに声をかけるのは難しい。
結局、昨日私がちゃんと話せたのは
道枝くんぐらいだったし、
私にも、彼ぐらいの容姿と親しみやすさがあれば、
もっと上手くやっていけるのかな。
そんなポテンシャルを持ち合わせているなら
きっと何も困らない。
そう思いながら、鞄の中を出しているところに
『橘さん、やっけ？』
また隣からさらりと声がかかる。
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作者名：27 | 作成日時：2022年1月1日 6時
