めげないロミオくん (ページ28)

今日:6 hit、昨日:13 hit、合計:76,673 hit

#28 ページ28

.

_____次の日も、その次の日も

　
『おはよ』

「…おはよう」

道枝くんは、私を気にかけるように話しかけてくる。

あんなに皆んなから慕われてるはずなのに、

こんな地味な私にも気にかけてくれるなんて。

…変わってる。

ずっとそう思って生活していた。

『なぁ、橘さん、北海道ってどんなとこなん？』

とか。

『あの先生怖いから、真面目に授業受けた方がええで』

とか。

私はろくな返事もしないのに、

キラキラした笑顔で話し出すのが不思議で仕方なくて、

ちょっとした疑念すら抱いていた。

「…………」

それと、道枝くんが話しかけてくるもう一つの問題点は、

何よりも周りの視線が怖いことだ。

「最近みっちー、あの転校生と仲良くない？」

とか。

「あの子にばっかりで、意味わからん」

とか。

特に、あの道枝くんの彼女らしき女の子が怖い。

まだはっきりとした確証はないが、

きっと彼女なんだからさぞかし

私のことを嫌ってることだろう。

そう思うと、教室にいることすらも気が気じゃなくて、

「………はぁ、」

______昼休みは、専ら外のベンチで食べていた。