24話 ページ25
『…同じ?』
俺は先生の言葉にピンと来なかった
「その子豹馬君の一つ下の女の子でね、サッカーをしてたんだけど”虚血性心疾患”で激しい運動が出来なくなったんだよ」
「最近倒れて病院に運ばれてね…今は車椅子とか支えるものがないと歩けない状態なんだよ」
先生は少し困ったように笑った
俺はそいつの事が少し気になり名前を聞いた
「帝襟Aちゃん、女子中学生最強のストライカーって言われてる子だよ」
俺はその名前を聞いて思い出した
帝襟A、雑誌で何度も見かけたことがある、なんなら気になって試合も見に行った
無駄な動きもなくプレー視野も広い
コート全体を見て敵も味方も全て支配するように動かす
まさに”天才”
.
夜になり暇だったため部屋から出てリハビリをする事にした
リハビリする場所まで行くと先約がいた
『…誰だ?』
俺はそう思い少し遠くから顔を見た
そいつの正体は”帝襟A”
かなり体がふらついているが、頑張って立って歩いている
正直あんなフラフラな状態で1人でリハビリは見てて心配
俺がそんな事を考えていると
ドン
体が限界だったのか座り込んでいた
そして_
A「…ほんと最悪……クソ…!(泣)」
泣いていたその横顔が綺麗で少し見惚れていたが、我に返り帝襟Aに話しかけた
『そんな体で1人でリハビリは危ないだろ』
俺がそう言うと思いっきり睨まれた
A「うるさいな……私の気持ち何にも知らないくせに……あっち行ってよ…!」
そう言われたが、気持ちならわかる
俺も同じだから…
『…右膝前十字靭帯の断裂』
A「…何言ってんの」
『俺もお前と同じだ、サッカーが出来ない』
俺がそう言うと泣きやみ「…え」と声を漏らしていた
『今は早く復帰したいからリハビリしてる、でももう1回足を怪我したら次こそ本当にサッカーが出来なくなる…』
『だから、お前の気持ちは痛いほどわかる』
すると、俺に興味を示したような表情になった
A「…あんた名前は?」
『千切豹馬』
A「…そう」
「私は帝襟Aよろしく赤髪」
『おい、髪色で呼ぶな』
A「基本髪型とか色で人を見分けてるから」
まじかよ…こいつ変わってんな
A「まぁでも、豹馬って呼んであげる」
偉そうにそう言われた、こいつ年下だよな…
『なら、俺はAって呼ぶ』
『あと俺高一だから先輩って呼べ、それと敬語も忘れんなよ』
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楓華(プロフ) - まつぼっくりさん» ありがとうございます! (2023年4月15日 19時) (レス) id: 7ecb583e1a (このIDを非表示/違反報告)
まつぼっくり(プロフ) - ハッコノサクヒンオモロイデス!更新応援してます! (2023年4月15日 19時) (レス) @page8 id: af73d329dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ai | 作成日時:2023年4月12日 0時