ドラマチックな日常はいかが？4

最後の悪あがき ページ41

違う香り…

「…山田さん」
私山田さんに抱き締められている。

山田『さっき哲人って…』

見た感じ坂本さんより身体つきは小さく…

でも、がっちりした身体で…
たくましい腕で
優しく包んでくれている。

「…」
贅沢なんだろうけど

違うの。

私が求めているぬくもり？優しさ？ほしいのは勇人からで


「ごめんなさい」
バッと山田さんから身体を離した。
最低だ。私。こんなことして。


山田『勇人さん飲みに行ってるんでしょ？』

「はい」

山田『じゃあ…』

「行きませんよ」

山田『…』

「勇人がしてるからって私はしません。」
そんな小学生みたいな行動出来ない。
一番は…

「勇人を裏切りたくない」

山田『最近の週刊誌載ってたじゃん』

「はい」

山田『怒らないの？』

「怒りますよ。あんな内容見せられたら。でも…嫌いになれないんです」

山田『…』

「例え内容が本当だったとしても勇人を嫌いに…絶対に嫌いになれない」

山田『裏切られるかもしれないんだよ？』

「…そうかも」

山田『それでも』

「それでも好き…だからモヤモヤしているんです」

山田『モヤモヤ…』

「自信がなくて、いつも勇人の彼女ってなるとネガティブなこと考えてしまうし…いっそうの事勇人が私を嫌いになれば済むんじゃないかって…」

山田『勇人さんは嫌いになんてならないよ』

「…」

山田『今だって俺にめっちゃ電話かけてきてるし(笑)』

「…」

山田『でも出ませんよ(笑)俺そんなにいい奴じゃないんで』

「私もいいやつじゃないです。」

山田『(笑)』

山田さんの笑った顔が近づいてきた…

山田『勇人さんには勝てないから…入り込む隙間なんてないの知ってたのに。でも諦めきれないんです。悪いのは…』

両手を山田さんに握られて…
視界から山田さんがいなくなった…





じゃない。





近すぎて…
山田さんに焦点があわないだけ。







「！」









山田『…最後の悪あがきです(笑)諦めます俺。でもゆなさんにふれたくて…悪いのは勇人さんです。こんな可愛い彼女がいるのに…』

「…」
身体が硬直していて…
頭がまわらない。





私…

今…

勇人を裏切った。








山田さんと

山田『送りますよゆなさん』

キスをしてしまった……。








よく分からない。
よく分からないまま頬を一筋の涙が流れていった









。

思考回路停止→←運命かも。たまたまですよ。

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