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真新しい制服に身を包み勢いよく外へ駆け出した。

まだ少し肌寒いが太陽の光が心地よい今日この頃。

私は無事に高校に合格し、今日から正式に華の高校生となる。

「へへへ、今日の晩御飯は家族で焼肉…」

よだれが出そうになるのをどうにか堪え、これから三年間を過ごすこととなる学校へ足を進めた。




「………あ、あれ、おかしいな、確かこの辺だったはずじゃ…」

受験のときにも通ったし、昨日お母さんとも来たはずなのに…!

どんなに思い出そうと唸っても何も思い出せない。


不安になりもう一度辺りを見回す。

満開の桜並木が春風に揺らされ桜の雨が降っているかのようなそんな場所。

日差しもそれに重なりとても幻想的な所だった。


…こんな場所、通ったっけ……?


きっとこんな素敵な場所なら昨日通った時点で忘れられないはずなのに。

記憶に靄がかかったかのように本当に何も思い出せないのだ。

何故だか胸がざわつく。

まるで、何かを思い出すことを拒絶しているかのような…

「…っ」


そんな私の意志とは裏腹に、足は歩みを続ける。


「と、まって…っ、こんな場所知らない…!」

不安と恐怖に駆られ視界がぼやける。涙が零れてしまいそうだ。









―――――――――胸が、苦しい。

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作者名: | 作成日時:2013年12月31日 14時

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