【A3!】そ こ な し ぬ ま 。

▽素敵な王子様/向坂椋 ページ10

『椋くんこれ貸してくれてありがとうね！』

「あっはい！」



借りていた少女漫画を読み終えたので返す。

やっぱり少女漫画っていいなぁ。



「ど、どうでしたか？」

『うん、今回もすごく良かったよ！やっぱり少女漫画は胸きゅんが醍醐味だよね！』

「ですよね！
僕も将来、こんな恋愛してみたいなぁ」



私も、と首を縦に振る。



『でも椋くんモテるでしょ？』

「な、なんでですか！？
僕みたいなバカで豆っつぶみたいにチビで存在が薄い僕なんか･･･」

『椋くんストップ、ストップ！！』



椋くんはこうなるとずーっと止められるまでこれだからなぁ。



「でも、それを言うならAさんの方が･･･」

『え！？』

「だってAさん可愛いですし！」

『っいやいや！』

「どんな事も出来ちゃいますし！」

『いやっ、そんなことな』

「Aさんと結婚したいなぁ〜」

『〜〜っ！！』



椋くん天然おだて上手！！

ハッと自分の言ったことを思い返してか、ご丁寧に耳まで真っ赤に染まる椋くんの顔。



『椋くん、自分で言ったことに自分で恥ずかしくなるのやめよう？私も余計に恥ずかしい』



頬に熱を感じて手で仰いでいると、



「嘘、じゃないですよ」



なんて耳元で言って部屋へと帰っていった。

言い逃げされた･････！
でも椋くん、
絶対どの漫画の、どの主人公よりもかっこいいよ！！

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