▽顔が良い/碓氷真澄 ページ42
「手伝い、監督どこ?」
『おー、真澄くん。いづみさんならさっき買い物に向かったよ』
「・・・そう。どこまで」
『いつものスーパー。もうすぐ戻るんじゃないかな?』
リビングでダラダラと過ごしていれば、ヘッドフォンを付けた真澄くんが入ってくる。
真澄くんは安定の監督さん大好きだなぁ。真澄くんからいづみさん抜いたら、たたのクールでイケメンな役者さんになっちゃうから、それもそれで癪に障るものがあるけども。
「・・・なんで、アンタの仕事じゃないの?」
『私もそう言ったのに、いづみさんったら最近休みあげられてなかったから大丈夫だよって』
「そんな優しい監督も好き」
『はーい、ハートは仕舞ってくださーーい』
ポコポコと見えるぐらいに真澄くんの周りにハートが飛び散っていて、それを軽くあしらう。
と、落ち着いた真澄くんはそのままソファーに座り、音楽を聴きながら座り込んだ。
『あれ、ここで待ってるの?』
「・・・だって監督が帰ってきたら、すぐに反応出来る」
『相も変わらず、いづみさん好きだねぇ』
これで急にいづみさん愛が冷めたら絶叫もんだけどね。
それならば、とキッチンの方で紅茶を淹れて机に運ぶ。
「・・・ありがと」
『どういたしまして』
「・・・・手伝い、」
『Aでーす』
「・・・A、」
いつまでも手伝い呼びな真澄くんに、ちょっとした意地悪を仕掛けてみたら、案外素直に名前を呼んでくれて心底驚く。
・・・名前呼びを強要したの私だけど顔が良いだけあって破壊力やばいな。
それとなんで真澄くんポンポン隣叩いてるの。そこに座れと?エッ、そんなの恐れ多い、んだけどそろそろ目線が怖いからスワリマス。
『どうしたの?』
「眠い」
『ここだとゆっくり出来ないし、自分のベッドで寝たほうがっ、』
「うるさい」
寝たほうがいいよ、と言い切る前に真澄くんに一蹴されてしまい少しだけ落ち込んでいれば、肩に乗る重量感に驚いて真澄くんに顔を向ける。
『え、真澄くん?』
「・・・・・。」
コテンと首を私の肩に預けて寝るもんだから、首元にサラサラな髪と寝息が必然的にかかってしまう。
え、普通この状況で寝る?つかこれめちゃくちゃ恥ずかしい。髪くすぐったいし、寝息あたってる。
『・・・、おやすみ』
考え抜いた末にいづみさんが帰ってくるまではこの状態でいてあげたが、いつの間にか私も寝ていたようで頭を擦り寄らせて寝ていたらしい。
▽訳あり壁ドン(リク)/三好一成→←▽吸血鬼(リク)/三好一成
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R1(プロフ) - いつも楽しく読んではひとり変な舞を踊っております。そこで十座くんで帰りが遅くて心配されるというシチュエーションをお願いしたいです!お時間があれば書いていただけると嬉しいです! (2022年6月9日 21時) (レス) id: f12a74fee1 (このIDを非表示/違反報告)
零音(プロフ) - 初さん» 初めまして。誤字報告ありがとうございます、そして気付かずにすみませんでした...。これからも更新頑張っていくので不束者ですがよろしくお願いします! (2022年4月17日 23時) (レス) @page45 id: c4adadee4d (このIDを非表示/違反報告)
初(プロフ) - 初めまして、お話素敵でした!卯月さんではなく卯木さんですので誤字報告させて頂きました。 (2022年4月17日 20時) (レス) @page45 id: 14241c496e (このIDを非表示/違反報告)
零音(プロフ) - さらさん» 喜んでいただけたようで良かったです!こちらこそありがとうございました!! (2022年3月21日 20時) (レス) @page44 id: c4adadee4d (このIDを非表示/違反報告)
さら - お話最高でした!!書いてくださりありがとうございます!!綴くん格好よかったです!!本当にありがとうございました!! (2022年3月20日 23時) (レス) @page44 id: f9b4a84be1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:零音 | 作成日時:2017年2月24日 16時