▽早起き/茅ヶ崎至 ページ39
「おはよう、A」
『おはようございます。
至さん早起きですねぇ』
「ちょっとね」
リビングでばったり会った至さんに、まだ眠りから覚めてない頭で返答する。
今日早く学校行って課題終わらせなきゃいけないんだよね。至さんと会ったのは本当に偶然。
「それよりそんなにボーッとしてるとぶつかるよ」
『・・・ぼーっと、してませんよ。
っわ!?』
「ほら、言った通りじゃん」
注意された直後、何も無いはずのリビングで突っかかって倒れそうになった所を至さんに腕を引かれて持ち堪えた。
・・・自分じゃそこまでぼーっとしてるとは思ってなかったんだけどなぁ。
『ありがとうございます』
「うん、分かったから早く体勢直して。これきっついわ」
『・・・そういうとこですよ至さん』
だからどこか格好つかないんだぞ、と思いつつ体勢を直した。
まぁだからこそ親しみが持てるのかもしれないけど。
「ま、いいや。A、時間は?」
『まだ大丈夫ですよ?』
「んじゃ、コーヒー淹れて」
『・・・え、』
「俺飲みたい」
自分で淹れて、なんてお手伝いである私が言えるはずもなく、渋々キッチンでコップに注ぐ。
少しぐらい自分でやったらどうなんですかね?私が淹れてるのに、至さんはソファーでくつろいでるだけだし!
『至さんブラックでしたっけ?』
「んー」
『はい、どうぞ』
「うん、ありがと」
足を組みながら、携帯を弄りながら、
コーヒーを飲む至さんは絵になっていて。
これだからイケメンは狡いんだよね。さっきのことをもうどうでもよくなりかけてる。
「・・・うん。
やっぱり俺、Aの淹れるコーヒー好きだわ」
『・・・・へ、』
「ホントありがとね。これで頑張れそ。
行ってきます」
ぽん、と乗っかった重量感にふと視線をあげれば、微笑んだ至さんに頭を撫でられていた。
・・・やっぱりイケメンは狡い。
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R1(プロフ) - いつも楽しく読んではひとり変な舞を踊っております。そこで十座くんで帰りが遅くて心配されるというシチュエーションをお願いしたいです!お時間があれば書いていただけると嬉しいです! (2022年6月9日 21時) (レス) id: f12a74fee1 (このIDを非表示/違反報告)
零音(プロフ) - 初さん» 初めまして。誤字報告ありがとうございます、そして気付かずにすみませんでした...。これからも更新頑張っていくので不束者ですがよろしくお願いします! (2022年4月17日 23時) (レス) @page45 id: c4adadee4d (このIDを非表示/違反報告)
初(プロフ) - 初めまして、お話素敵でした!卯月さんではなく卯木さんですので誤字報告させて頂きました。 (2022年4月17日 20時) (レス) @page45 id: 14241c496e (このIDを非表示/違反報告)
零音(プロフ) - さらさん» 喜んでいただけたようで良かったです!こちらこそありがとうございました!! (2022年3月21日 20時) (レス) @page44 id: c4adadee4d (このIDを非表示/違反報告)
さら - お話最高でした!!書いてくださりありがとうございます!!綴くん格好よかったです!!本当にありがとうございました!! (2022年3月20日 23時) (レス) @page44 id: f9b4a84be1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:零音 | 作成日時:2017年2月24日 16時